
スーダン、エルマナキル:スーダンで毎年恒例となっている雨が明けた。数十人の死者を出し、エルマナキルの農村とその周辺の村では数千人が家や財産を失った。農民によれば、ここ10年で最悪の洪水だったという。
「すべてを失いました」と29歳のブテイナ・アルハディさんは、廃墟と化した実家でロイターの取材に答えた。
「5世帯がここに住んでいましたが、今やすっかり破壊されてしまいました。避難所もなく、財産もすべて失いました」
国連によると、今年に入ってからスーダン全土で15万人以上が洪水の被害を受けており、これは昨年同時期の雨季に発生した被害者数の2倍だという。当局によると、89人が死亡し、約5万棟の家屋が被害を受けたという。
国連は、例年9月まで続く雨季の終わりまでに、少なくとも例年よりも多い46万人が被災すると予想している。雨量が多いことに加え、緩和措置がとられていないためだ。
首都ハルツームから南に約150キロ(90マイル)の農業地帯で、灌漑用水路が溢れかえったエルマナキルでは、100以上の村が孤立し、1万棟の家が半壊もしくは全壊したと、スーダン赤新月社のジャマール・ムスタファ氏が発表した。また、少なくとも3,000人が仮設キャンプに避難している。
住民によると、飲料水や食料は限られており、場所によっては水深2メートル(6.5フィート)に達する中、ほとんどの支援が断たれているという。
地元のリーダーであるアルタイブ・アブダラさんは、「あらゆる援助、避難所設置、輸送は地元のボランティアによって行われています」と述べた。「政府は何の援助も行っていません」
スーダンのアブドゥルファッターフ・ブルハン主権評議会議長は日曜日、政府はエルマナキルに必要な支援を提供すると発表し、側溝の清掃、同地域への主要道路の修復、補償を行うと述べた。
カタールや準軍事組織である緊急支援部隊(RSF)からの救援物資を積んだトラックが、道路の復旧を待つ姿が見られた。
陸軍工兵隊の数名が幹線道路を復旧させようとしているのが見えたが、地元の人々は、ほとんど自分たちだけで、苦労して水を灌漑用水路に戻しているという。
「この10日間、我々は水流を止めるために昼夜を問わず作業してきました」と、膝まで水に浸かった状態でヤシーン・アブダラさん(35)は語った。
ロイター