
バグダッド:イラクのムスタファ・アル・カディミ臨時首相は土曜日、同国の政治危機が過去数年間に達成された安全保障上の成果を脅かしていると警告した。
バグダッドで行われた、女性に対する暴力と闘うイスラムの日を記念するスピーチで「安全保障の成果と国家の安定が今回の政治危機により脅かされている。現状の解決策は、イラクとイラク人の利益のためにすべての政党が譲歩することだ」とアル・カディミ臨時首相は述べた。
2003年に米国主導で起きたイラク侵攻以来、今回の政治危機は最も深刻な危機の一つであり、アル・カディミ臨時首相の警告はその危険性を明確に示している。
昨年の議会選挙以来、ムクタダ・アル・サドル派とイランの支援を受けている敵対勢力との間で意見が分かれていることが今回の政治危機の原因だ。
アル・サドル師は10月の選挙で最大の議席を獲得したが、過半数を得ることはできず、イラクにおけるここ数年で最悪の政治危機の一つを引き起こした。
土曜日、アル・サドル師は、政治危機を解決するために、自身の政党を含む「すべての政党」は議員の地位を放棄すべきだと述べた。
アル・サドル師とその支持者たちは、議会を解散して新たに選挙を実施することを求めてきた。しかし土曜日には、議会の解散と再選挙は「それほど重要ではない」と述べた。
その代わりに、「2003年のアメリカの占領から今までの間に政治プロセスに参加してきたすべての政党や人物が、今後の政治に参加しないことの方が重要だ」と、アル・サドル師はツイッターに投稿した。
アル・サドル師はまた、「サドリスト運動も含まれる」とも述べた。
「72時間以内にこの趣旨の協定に署名する用意がある」と述べ、アル・サドル師が提案したような動きがなければ「もはや改革の余地はないだろう」と警告した。
アル・サドル師の支持者たちは、まず議会内部を襲撃した後、自分達の要求を押し通すために、数週間前から議会の外に座り込み抗議を続けている。
また、火曜日には、バグダッドの司法機関本部の外で数時間にわたりテントを貼っていた。
先週、首相は解決策を見出すため、政府高官と政党代表者による会議を要請した。
アル・サドル師は、「仮に戦闘が勃発すれば、銃撃を止めることは出来ず、何年も続くだろう」と警告した。
2017年にダーイシュのほとんどが国内で敗北して以来、イラクは比較的安定が続いていた。
しかし、テロリストは攻撃の手を休めることがなく、道端に爆弾を仕掛けて治安部隊や軍事目標を襲ったり、護衛部隊や検問所に発砲したりしている。
イラクの大部分を支配していたダーイシュの台頭期には、石油資源の豊富な同国では死者を出す爆発が頻繁に発生していた。
AP/AFP 時事通信