アラブニュース

• サドル師が支持者にデモ中止を指示
• イランが支援する民兵により30人が殺害される

ジェッダ：ムクタダ・アル・サドル師は火曜日、バグダッド市街地で起きた、イラクを混乱の渦に追いやった暴動から撤退した。

有力なシーア派の聖職者であるサドル師は、イランが支援するハシュド・アル・シャアビ民兵と、政党連合である調整枠組みとの衝突で少なくとも30人が死亡した後、要塞化したグリーンゾーンでのデモ活動を中止するよう支持者に命じた。

アル・サドル師は支持者たちに、解散するための時間を1時間与えた。「これは革命ではない。平和的な性質を失っている」とサドル師は述べた。「イラク人が血を流すことは禁じられている」と述べた。

期限が過ぎると、アル・サドル師の支持者たちは、数週間にわたって議会を占拠していたバグダッド中心部の地区から退去し始めた。自治体職員は、暴動の後に残された砲弾や弾丸の薬莢の清掃を始めた。

軍は全国的な夜間外出禁止令を解除し、幹線道路からはコンクリートの障壁が取り除かれ、交通は徐々に正常に戻っていった。

今回の抗議行動は、アル・サドル師が、「腐敗し衰退した統治システムを改革するイラクの指導者の失敗を理由に政治家を辞める」と発言した月曜日に始まった。

火曜日未明、民兵がグリーンゾーンにロケット弾を発射し、機関銃を携えグレネードランチャーを振り回しながらピックアップトラックで移動してきた。

要点まとめ

軍は全国的な夜間外出禁止令を解除し、幹線道路からはコンクリート障壁が取り除かれ、交通は徐々に正常に戻っていった。

この衝突は、10月の議会選挙以来、10カ月にわたる政治的行き詰まりをもたらした。

選挙ではアル・サドル派が大勝し、イランの支援を受けた政党は屈辱的な敗北を喫したが、調整枠組みはこの結果を受け入れず、サドル師が彼らを除外した政権を樹立しようとするのを阻止した。

ワシントン研究所所属、イラクのシーア派民兵専門のハムディ・マリク氏は、アル・サドル師の行動は2003年以来展開してきた対立と非エスカレーションのパターンに則っていると述べた。マリク氏によれば、サドル師は最近、イラクの抑圧された大衆の指導者としての地位を高めるために暴力を回避しようとしたが、実際には自分の欲しいものを手に入れるために暴力的不法行為をちらつかせてきたという。

「彼はいつも自分自身と支持者を、暴力と流血が避けられないと思えるような状況に追い込みながら、必ず一転して暴力を拒否しています」とマリク氏は話す。

英国のシンクタンク、王立国際問題研究所のレナド・マンスール氏は、支援者を送り込みその後撤退を求めることで、サドル師は「特に反対派に対して、彼の持つ社会的権力と基盤を示している」と指摘する。

マンスール氏は「この暴力と不安定化という戦略は、サドル師の交渉と駆け引きの一環なのだと思います」と話す。

2022年8月29日、イラクにあるバグダッドのグリーンゾーンで、イラクのポピュリスト指導者ムクタダ・アル・サドル師の支持者と、シーア派政党のグループ「調整枠組み」の支持者が衝突した。(ロイター)

サドル氏支持者がRPGやライフルで発砲し、グリーンゾーン内で銃撃戦が発生した。(AFP)

新政権が誕生しない政治危機の中、イラクでは緊張が高まっている。(AFP)