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イラン、監視機関の調査終了なくして核合意は「無意味」と表明

イブラヒム・ライシ氏は、来月開催される国連総会の際にバイデン氏と会談するかどうかについて改めて否定的見解を表明した。(AP)
イブラヒム・ライシ氏は、来月開催される国連総会の際にバイデン氏と会談するかどうかについて改めて否定的見解を表明した。(AP)
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30 Aug 2022 04:08:57 GMT9
30 Aug 2022 04:08:57 GMT9

テヘラン:イラン大統領は29日、国連の核監視機関がイラン国内の未申告施設の調査を終了しないかぎり、世界の大国と締結した2015年の核合意の復活は無意味であると述べた。

イブラヒム・ライシ氏のコメントは、画期的な同合意を救うためにEUが提案した「最終」文書に対するイラン側の提案に対する米国の反応を、イラン政府が検討している過程でのものだ。

米国はイランに対し、未申告施設3カ所での過去の作業に関する疑惑を晴らすために国際原子力機関(IAEA)に協力することを、強固に要求していた。

「交渉では、保障措置の問題は根幹をなす問題の一つである。保障措置の問題はすべて解決されなければならない」と、首都テヘランで行われた記者会見でライシ氏は述べた。

「保障措置問題が解決されなければ、合意に向けた協議は無意味だ」

IAEAは、核物質の痕跡のことを「保障措置」問題と呼んでいる。

イランは、合意が復活して履行段階に入る前にこの問題を終わらせることをIAEAに繰り返し求めているが、米国務省のヴェダント・パテル報道官は木曜日、合意と未申告施設の関係に「いかなる条件も付けるべきではないと考えている」と述べた。

6月にIAEA理事会は、核活動拠点として未申告の施設3カ所で濃縮ウランの痕跡が発見されたことに関し、十分な説明がなされていないとして、イラン非難決議を採択した。

核合意復活の期待が高まるなか、先週、IAEAのラファエル・グロッシー事務局長はCNNのインタビューに応じ、IAEAが回答を受け取ることなく調査を打ち切るという見方を否定した。

「政治的な理由から仕事を中止するという考え方は受け容れがたい。これまでに、イランは私たちが求める技術的に信頼できる説明を行っていない」

グロッシー氏は29日、2015年合意の履行に関するIAEA加盟国への最新の報告書で、イランが、ナタンズに最近設置された3つの遠心分離機カスケードのうちの1つでウラン濃縮を開始したことを発表した。

イラン・イスラム共和国と、英国、中国、フランス、ドイツ、ロシア、米国からなる世界的な大国6カ国との間で締結された合意は、イランが核開発計画を制限するのと引き換えに、同国に対する制裁を緩和するものだった。

ジョー・バイデン米大統領は2021年の就任以来、前任のドナルド・トランプ氏が2018年に一方的に破棄した同合意に米国を復帰させることを目指してきた。

昨年4月に開始されたウィーンでの協議は、米国については対イラン制裁の解除などを通じて核合意に復帰させ、イランについては約束の完全な遵守に復帰させることを目指している。

これまでイランと米国の間接交渉は欧州連合の仲介で行われてきた。

ライシ氏は、来月開催される国連総会の際にバイデン氏と会談するかどうかについて改めて否定的見解を表明した。

「私と彼が会談しても何の価値もない…その種の会談の予定はなく、今後もまったくないだろう」

イランの最大の敵であるイスラエルは、同盟国・米国やその他の西側諸国に対し、イランとの核交渉の中止を迫っている。

イスラエルのヤイール・ラピード首相は28日、イランとの新たな合意には、期限と「イランの弾道ミサイル計画にも対処できる」より厳格な監視が含まれる必要があると述べた。

「現実的な軍事的脅威が俎上に載せられるなら、我が国はこの種の合意に達することができる」と、ラピード氏は付け加えた。

ライシ氏は、「(イランの)核科学者の暗殺」や核施設の「破壊行為」といったイスラエルの行動は、イランの核開発計画を「中止させることはできない」と述べた。

また、イスラエルがイランに対して「何かを実行しようと決定した場合、行動する時間はないかもしれない」と警告を発した。

正式には包括的共同行動計画(JCPOA)と呼ばれる2015年合意は、イランが常に否定してきた核兵器開発を阻止することを目指していた。

ライシ氏は、「我が国の国防ドクトリンに核兵器の占める場所はない」と強調した。

AFP

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