
アラブニュース
「ワールド・ビジョン」は声明で、判決は訴訟で提出された証拠や事実に真っ向から反していると主張した。
ガザ地区:イスラエルは30日、裁判所が米国の支援団体のガザ地区責任者に対し、ハマスに資金提供をしたなどの罪で懲役12年の刑を言い渡したことで、誤審を犯したとして非難されている。
モハマド・ハラビ氏(44)は2016年6月に逮捕されて以後、現在に至るまで拘置所に勾留されているが、6年間に渡る裁判で出された証拠の大部分は、イスラエルのいう「安全保障上の懸念」を理由に非開示とされた。
イスラエル南部のベエルシェバ地方裁判所は6月、ハラビ氏がワールド・ビジョン・ガザ地区責任者としての自身の立場を使って、パレスチナの飛び地である当地区を支配する過激派組織・ハマスに数百万ドルの資金と数トンの鋼鉄を流用したとする判決を示した。そして30日、地裁はハラビ氏に対し「既に服した勾留期間を差し引いた懲役12年」を言い渡した。
World Vision’s response to the sentencing in Mohammad El Halabi’s case: https://t.co/kmzCEtz8dI pic.twitter.com/Dz3woiD7td
— World Vision (@WorldVision) August 30, 2022
ハラビ氏の弁護人のマヘル・ハンナ氏によると、ハラビ氏は最高裁に上訴するという。「ハラビ氏は、自身が無罪であり、違法行為は何もしておらず、またその証拠もないのだと主張しています」とハンナ氏は述べた。
ヒューマン・ライツ・ウォッチのオマー・シャキール氏は、懲役12年という判決は「深刻な誤審」であり、裁判が6年間にも及び、また非開示の証拠を使用したという事実は「適正手続きを愚弄するものだ」と語った。
ワールド・ビジョンは判決について「極めて遺憾」だと述べた。同団体の広報を務めるシャーロン・マーシャル氏は、ワールド・ビジョンは「あらゆる形態のテロ行為ないしテロ行為を支援する活動」に反対するが、「当訴訟において、そうした活動の証拠は何も見当たりません」と伝えた。