
ワシントン: 米国のジョー・バイデン大統領が水曜、今週発生したバグダッドでの暴力事件を受け、イラクのムスタファ・アル・カディミ暫定首相と電話会談を行ったと、ホワイトハウスが発表した。
「大統領は、今週これまでに24時間にわたって緊張と暴力が高まる中で、カディミ首相が発揮した個人的なリーダーシップを称賛した」と、ホワイトハウスは電話会談の後の声明で述べ、両首脳は今後数週間、連絡を取り合うことで合意したと付け加えた。
バグダッドでは今週、有力な聖職者ムクタダ・アル・サドル師が政界を引退すると発表したことを受け、対立するシーア派イスラム教徒のグループが首都バグダッドで交戦したため、ここ数年で最悪の戦闘状態となった。
サドル師によれば、今回の決断は、他のシーア派指導者や政党がイラクの統治システムを改革できなかったことに促されたものだという。米国はこの騒動について、憂慮すべき事態と述べている。
サドル師が火曜、信奉者たちに対し、バグダッド中心部での抗議活動を終了するように命じたことで、暴力は沈静化した。サドル師は、自分に忠誠を誓う武装集団と、イランの支援を受けるシーア派イスラム教徒との間の衝突で22人が死亡したことを受け、イラク国民に謝罪し、戦闘を非難して信奉者たちに解散を命じた。
ホワイトハウスによれば、バイデン大統領とイラク首相は「街に治安が戻ったことを歓迎」し、現地の指導者たちにイラクの憲法に沿って対話に参加するように呼びかけた。
最近続いている衝突は、議会選挙以来10カ月にわたって政治が膠着状態に陥っていることを受けたものである。バルハム・サーレハ大統領は、危機は終わっていないと警告し、早期の選挙を要請している。
ホワイトハウスによれば、バイデン大統領は「イラク治安部隊の仕事ぶりを賞賛し、最近の戦闘で死亡した人々の家族に哀悼の意を表した」という。ホワイトハウスの公式声明では、サドル氏の名前は触れられなかった。
ロイター