
ダマスカス:シリア当局は6 日、フムスなどを入れるボウル状の容器に似せて粉砕・成型された24キログラムのカプタゴン(フェネチリン)を押収したと発表した。
カプタゴンは通常錠剤の形で製造されるが、同国の内務省によると、密輸業者はそれを粉砕し、得られたペーストから「茶色の接着剤でコーティングした陶器のような皿を成型」していたとのことである。
この密輸未遂事件に関連して、ダマスカスで男性1人が逮捕されたと声明は述べているが、違法薬物で作られた容器の出荷先は特定されていない。
カプタゴンの密売人たちは近年、さらに想像力豊かに隠し場所の幅を拡げており、偽物のオレンジから中身をくり抜いたザクロや種無しのオリーブまで、様々なものが押収されている。
また、内部に錠剤の入れるスペースを持つ装飾品や建設機械をわざわざ作り、受け取り側で品物そのものを壊さなければ錠剤を取り出せないようにしたものもあるという。
今回の薬物の粉末そのものを使ったオブジェを作るという方法は、中南米の麻薬カルテルを参考にしたものと思われる。
特に検出されにくい液状のコカインは、合板からTシャツまであらゆるものに染み込ませ、目的地に到着してから回収することができるのだ。
世界のカプタゴン生産のほとんどはシリアで行われ、数十億ドル規模の産業となっており、この薬物を同国で他を引き離して最大の輸出品にしている。
この薬物はパーティー好きのエリートの間で人気があるが、減量をしたい人や複数の仕事を掛け持ちしている学生にも使用されている。
AFPの集計によると、2022年8月までの8か月間に世界中で約2億5000万錠のカプタゴンが押収された。
AFP