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ベイルート港爆発事故の調査担当者に新判事を任命する計画を被害者家族が非難

犠牲者の写真やプラカードを持って抗議する、2020年8月のベイルート港爆発事故の被害者の一部の親族ら。2022年9月7日、レバノンのベイルートの司法宮殿前。(ロイター)
犠牲者の写真やプラカードを持って抗議する、2020年8月のベイルート港爆発事故の被害者の一部の親族ら。2022年9月7日、レバノンのベイルートの司法宮殿前。(ロイター)
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08 Sep 2022 03:09:11 GMT9
08 Sep 2022 03:09:11 GMT9
  • 数十億ドルの被害をもたらした爆発事故の調査は、調査を率いるタレク・ビタール判事に対する訴訟を3人の元閣僚が起こしたため、昨年12月以来停止している。

ナジャ・フーサリ

ベイルート:水曜日、2020年にベイルート港で発生し少なくとも218人の死者を出した大規模な爆発事故の被害者の一部の親族らが、公式調査の担当者に新しい判事を任命する司法当局の計画に抗議した。親族らはこの動きを、国の政治階級が正義を避けようとするための試みだとして非難している。

数十億ドルの被害をもたらした爆発事故の調査は、調査を率いるタレク・ビタール判事に対する訴訟を3人の元閣僚が起こしたため、昨年12月以来停止している。

ヘンリー・フーリー法相と、レバノンの最高司法機関である高等司法評議会は、2人目の判事の任命を検討している。爆発事故以降、起訴なしで拘禁されている港湾・税関職員やその他の従業員を釈放するためだとされる。

爆発事故で兄弟を失ったウィリアム・ノウンさんは、「被害者家族は調査の再開を望んでいます。また、政治的対立は横に置いてビタール判事に職務を果たしてもらいたいです」と語る。

他の被害者の母親は、「拘禁されている人たちの釈放には反対しませんが、真実と正義が行われなければなりません」と言う。

被拘禁者の一人でベイルート港の会長兼港湾局長のハサン・カメル・コレイテム氏の姉妹であるムーディ・コレイテムさんは、「拘禁されている人たちの運命は権力者の手にあります。彼らはまだ裁判にかけられていません。彼らとその家族にとって不正なことです」と語る。

ビタール判事に対しては前例のない数の訴訟が起こされている。同判事は、元首相、元閣僚ら、現議員らには怠慢によって爆発事故への責任があると非難した後に職務を停止させられた。

ある司法関係者はアラブニュースにこう語る。「彼ら(反対者ら)はビタール判事を調査から追い出すためにあらゆる努力を行ってきたが、同判事も調査再開のためにあらゆる努力を行うだろう。同判事が行き止まりに至った場合はいつでも、辞任が選択肢の一つとなるかもしれない」

匿名を希望したある政治家はこう語る。「法相は高等司法評議会と共謀して、例外的な権限を持つ新しい司法捜査官を任命することで正義を阻止し、ビタール判事を叩き潰そうとしている。彼らは正義を葬り去ったが、我々は彼らに立ち向かうためにここにいる」

多くの人はレバノン政府に爆発事故の責任があると言っているが、調査の進行は政治エリートとその長きにわたる権力掌握によって妨げられている。

2020年8月4日の爆発事故は、肥料の成分で爆発性の高い硝酸アンモニウム数百トンが爆発したことで発生した。これらの硝酸アンモニウムは2013年にレバノンに運び込まれ、ベイルート港の倉庫に不適切に保管されていたことが後に明らかになった。政治・治安当局の高官らはそれを知っていたと言われている。

ビタール判事は爆発事故の公式調査を率いる2人目の判事だ。最初のファディ・サワン判事は2人の閣僚の偏見に基づく非難によって職務を停止された。

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