
イスタンブール:トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は木曜日、ロシアからの穀物輸出を望むとした上で、国連が支援する協定の下では、ウクライナからの輸出穀物は貧しい国ではなく豊かな国に送られるだけだというウラジーミル・プーチン大統領の不満に同調した。
穀物輸出に関する協定は、船舶がウクライナの港を安全に利用できるようにして、ロシアの封鎖によって足止めされていた何千万トンもの穀物の輸出を可能にし、世界的な食糧危機を回避するために結ばれた。
ウクライナ、ロシア、トルコと国連が合意したもので、これによってロシアからの穀物輸出も容易になった。
「プーチン大統領が懸念しているのは、これらの穀物は(ロシアに対する)制裁を行っている国々に送られるという点だ。我々はロシアからの穀物輸出も再開されるよう希望する」とエルドアン大統領はクロアチア大統領との共同記者会見で述べた。
「遺憾なことに、この協定によって輸出される穀物は貧しい国ではなく、豊かな国へ送られている」とエルドアン氏は語った。
水曜日、ロシアのプーチン大統領は、穀物や他の食糧、肥料が貧しい国ではなくEUやトルコに送られているとして、輸出協定の内容に制限を加えることを提案した。
協定を結んだ当事者(ロシア、ウクライナ、トルコ、国連)を含む、イスタンブールに拠点を置く調整グループによると、貨物の約30%は低所得国および低中所得国に輸送されているという。
NATO加盟国であるトルコは、ウクライナ・ロシア両国と緊密な関係を維持しており、侵攻が始まって以来、中立の立場を取ってきた。トルコは対ロシア制裁に加わることを拒否したが、一方でロシアによる侵攻を批判しており、ウクライナに軍事用ドローンを提供している。水曜日、ロシアと国連の高官がジュネーブで会合を持ち、国連が加わった協定があるにもかかわらず、西側の制裁によってロシアの穀物や肥料の輸出が滞っているというロシア側の不満に関して協議した。
黒海穀物イニシアチブの国連広報官、イスミニ・パラ氏は、8月に小麦の価格が下がった理由の一つはウクライナからの輸出が再開されたことだと述べ、食糧と肥料の供給を確保することが価格高騰を抑えるためには非常に重要だと指摘した。
7月末に協定が結ばれて以来、約100隻の船がウクライナの港を出たが、これまでウクライナから穀物を輸入してきたアフリカの国々に届いている貨物は、従来の量には遠く及ばない。
国連とトルコが仲介した協定は、当事者の合意により、120日ごとに更新が行われることになっている
協定は、11月末に失効する。
AFP