ベイルート:シリア北東部のクルド人部隊が17日、収容者数が過密状態となり次第に無法地帯になりつつあるアルホル難民キャンプ内で行われていた、ダーイシュの協力者に対する3日間の掃討作戦が終結したと発表した。
クルド人部隊は数十人の女性を含む200人以上を逮捕し、ダーイシュが利用する地下道を発見し、また武器庫を押収した。
当該地域のクルド人による半自治政府の治安部隊が、ダーイシュ構成員の疑いがある者の親族数万人を収容する同難民キャンプにおいて、今回の大規模な掃討作戦を実施した。
キャンプ内では最近、殺人事件が増加しており、また同キャンプが、ダーイシュが復活を計画するための拠点となりつつあるのではないかという懸念も高まっていた。
「今回の掃討作戦は、ダーイシュによる殺人や拷問といった犯罪行為の増加を受けて実施されました」と、クルド人当局は声明で伝えた。
国連によると、2021年初頭以来、アルホルでは100人以上が殺害されたという。アルホルはイラクとの国境近くにある僻地に位置し、シリア人やイラク人の家族の他に、約1万人が暮らしており、そのほとんどが女性と子どもで、彼らは元々はより遠方からやってきている。
ダーイシュはその極端な思想を広めるために、大部分が3年以上居住しているというアルホルの女性と子どもに強く依存してきたのだとクルド人治安部隊は伝えた。
かつて広く拡散していたダーイシュの「カリフ国」による最後の支配地が2019年3月に奪還されたことで、その準国家のような組織に残っていた住民らも大挙して脱出した。
ダーイシュの戦闘員と疑われる者の親族は、クルド人部隊が警備と運営を担う、事実上の抑留キャンプであるアルホルに集められた。
多くの国々、たとえばダーイシュの外国人戦闘員の出身国として最多のうちの1国だったフランスなどは、自国の市民をフランスに送還させることに消極的だ。
クルド人部隊は、計226人を逮捕し、25の「地下道と塹壕」を発見し、アサルトライフルとロケット推進榴弾1個と手榴弾25個を押収したと発表した。
同治安部隊はまたキャンプ内で、ダーイシュを支持する女に捕らえられていたイラクの少数派・ヤジディ教出身の2人の女性と、鎖でつながれていた状態で発見された4人の女性を解放したと伝えた。
AFP