
アラブニュース
ベイルート:襲撃事件が相次ぎ、1週間にわたって閉鎖されていた、経済危機に苦しむレバノン国内の銀行が月曜日から部分的に再開された。
今月初め、襲撃者が少なくとも7つの銀行支店に押し入り、制限された預金の引き出しを要求する事件が発生していた。
レバノンの銀行協会は先の月曜日、預金者や活動家による銀行襲撃が発生するなか、営業を停止することを発表し、中東の小国で混乱が拡大していることを印象付けた。
資金繰りに苦しむレバノンの銀行は、最近では2019年10月に2週間にわたって長期の営業停止をしていた。
経済危機が引き金となった大規模な反政府デモが行われる最中のことだった。
同年、銀行は現金引き出しに厳しい制限を課し、何100万もの人々が貯蓄を引き出せなくなった。
その後、同国経済は急降下し、人口の約4分の3が貧困に陥った。
レバノン・ポンドの価値はドルに対して90%以上下落した。
今月に入り国民の不満が爆発、猟銃で武装した1人の預金者を含め、怒って自暴自棄になった預金者が銀行を襲撃する事件が相次いだ。
その1人、サリ・ハフェズ容疑者は、偽のピストルを持ってベイルートのある銀行支店に押し入り、妹のガン治療のために、自身の貯蓄約1万3000ドルを強引に取り戻した。
しかし、月曜日に再開した銀行支店はほんの一握りで、法人取引のために事前に予約した顧客だけを受け入れた。
一部再開措置は、銀行が従業員の安全を確保できるようになるまで無期限で継続されることになっている。
ATMの周りには預金を引き出そうとするレバノンの人々が集まっていた。
「3時間もここにいるのに中に入れてくれないし、予約も入れてくれない」とファディ・アルオスタさんはベイルートにある銀行支店の外でAP通信に語った。
「警備員が1人ずつ入れて、武器をチェックする。
それが彼らの仕事なのか?」
レバノン銀行従業員連合会のジョージ・アル・ハッジ会長は、支店は縮小された、支店ごとに多くの警備員を配置するためだと述べている。
「我々の目的は、誰かに危害を加えることではなく、安全で安心な気持ちで仕事をしたいのだ」とアル・ハッジ氏は語った。
「私たちも人間だ」南部の都市シドンでは、いくつかの銀行の支店の前に突撃銃で武装した国家治安部隊が立ち、緊張が高まった。
給与の価値が90%以上下落した警察官や陸軍兵士の何人かが、政府から最近支給された小額の現金ボーナスを受け取ろうと、銀行の支店に押し入ろうとしたが未遂に終わっている。
救済に関するレバノンと国際通貨基金の協議は停滞しており、政府当局は銀行セクターの再編や銀行秘密法の解除など、重要な改革を実施できていない。
先週、来日したIMFの代表団は、切実に必要とされている金融改革の実行が遅れているとして同国政府を批判した。