モハメド・ナジブ
ラマッラー:イスラエル軍が28日朝、ヨルダン川西岸地区にあるジェニン難民キャンプを急襲し、パレスチナ人4人が死亡、数十人が負傷した。数人は重傷だ。
最近起きた銃撃事件に関与した疑いのあるパレスチナ人2人を射殺した、とイスラエル軍は発表した。住民が急襲に抗議すると、さらに2人が死亡、44人が負傷した。
ビデオ映像を見ると、見たところ爆発があったようで、同キャンプの住居から煙がもうもうと立ち上っていた。街頭では、激しい銃声が聞こえる中、複数の男性が車の陰に隠れていた。
マフムード・アッバース大統領率いるファタハ党は、今回の衝突で死亡した男性の一人は諜報部員のアハメド・アラウネさん(24)だと発表した。
ファタハ党は、今回の急襲は「危険な激化」だと付け加え、デモを呼び掛けた。デモの目的は「勇敢な殉教者」をたたえ、「ジェニンを孤立させようとするイスラエル占領軍と闘う場所を一つにする」ことだ。
その後、数千人が亡くなった4人の葬儀に参列した。復讐を呼び掛ける声が響いていた。
ジェニンの知事であるアクラム・ラジューブ准将はアラブニュースに対し、イスラエル軍は過剰な武力を行使した上に殺意を持っていたと話した。
同氏によると、その指名手配になっていた男性2人は、武器を持っておらず、抵抗する意思を示さなかったにもかかわらず、イスラエル兵に包囲された家の庭で殺されたという。
パレスチナのモハマド・シュタイヤ首相は、2人を殺害した者が国際刑事裁判所に起訴されるよう求めた。ジェニンとナブルスではモスクが服喪期間とゼネストの実施を発表した。
ヨルダン川西岸地区では、今年に入ってから90人のパレスチナ人がイスラエル軍に殺害されている。
パレスチナ解放人民戦線は、今回の殺害によって、「我々パレスチナ人に対し、あらゆる形態のテロを実行するこの占領軍は」暴力を振るうことしか知らないということが分かったと発表した。
パレスチナ大統領府のナビル・アブ・ルデイネ報道官は、「イスラエルの危険な激化」はイスラエルに正当性や安全、安定を与えないだろうと述べた。
「イスラエルは世界ののけ者であり、イスラエルと同じ方針の同盟国である米国は信用を失っている。パレスチナ人の生命や土地、聖地が破壊されているにもかかわらず、米国は平静を保つよう求め続けている」と同氏は付け加えた。
「占領軍は、エルサレムでもジェニンでもナブルスでも、その他の占領されたパレスチナの領土でも、全ての越えてはいけない一線を越え続けている」と同氏は述べた。
ハマスのハゼム・カッセム報道官は、「占領軍のテロ」がジェニンの決意をくじくことはないだろうと述べ、「殉教者の死は抵抗の動機になる」と述べた。
イスラエルとの戦いは、イスラエルがパレスチナの全ての領土から追放されるまで続くだろう、と同氏は付け加えた。
イスラエルは、ハマスがヨルダン川西岸地区の緊張をかき立てたと非難した。イスラエル兵がジェニンで指名手配犯を逮捕しようとしたときに爆発装置が爆発し、双方は銃撃戦で死亡した、とイスラエルは主張している。
ハマスはまた、イスラエルから、東エルサレムにあるアル・アクサの構内でパレスチナ人の抵抗をあおっていると非難された。そこは3日連続でユダヤ人入植者に襲撃されている。