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PIF傘下のACWA Power、将来はネットゼロのエネルギー生産者に、と同社CEO

アシール地方とジザン市に水および電力を供給するシュカイク施設の第2フェーズ。シュカイクはACWA Powerの最初のプロジェクトの1つである。(提供された資料)
アシール地方とジザン市に水および電力を供給するシュカイク施設の第2フェーズ。シュカイクはACWA Powerの最初のプロジェクトの1つである。(提供された資料)
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22 Oct 2021 12:10:59 GMT9
22 Oct 2021 12:10:59 GMT9

ワエル・マフディ、シャータ・アルマスーディ

リヤド: サウジアラビア上場企業で唯一壮大な再生可能プロジェクトを発表しているACWA Powerの代表は、2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロ(ネットゼロ)実現という同社の目標を達成する計画の一環として、非再生可能事業への投資を終了することを検討している。

10月23日にリヤドで開催されるサウジ・グリーン・イニシアティブのフォーラムに先駆けてACWA Power 代表取締役パディ・パドマナサン氏は「気候変動は現実であり、感じること、見ることができます。そのため当社はCO2排出量削減を目指しています」とアラブニュースに語った。同社は今月サウジアラビアの証券取引所に上場を開始していた。

リヤドを本拠とするACWAはサウジアラビアのソブリン・ウェルス・ファンドPIFが株式の44%を保有しており、再生可能エネルギー事業や水素エネルギー事業を行う同国の代表企業である。

サウジアラビア経済多角化の一環として化石燃料脱却が推し進められるなか、同社は2030年までにサウジアラビアの再生可能事業の少なくとも70%を受け持ち、向こう10年間およそ300億ドル規模の環境保護プロジェクトに参加する予定だ。 

今月ACWAは株式11%を売却し、サウジの株式市場に上場を開始した。それによると同社には109億ドルの市場価値がつけられている。

パドマナサン氏は「当社は今後石炭産業に投資しませんし、石炭火力発電所も建設しません。もちろん石油も同様です。サウジアラビアの既存の石油火力発電所に関して政府は2030年までにすべて稼働を中止することを約束しており、当社は稼働中止方法について政府と連携し、その後すべてリパワリングします。現在保有する評価済みオイルは向こう9年間でリパワリングによって段階的に破棄します」と述べた。

パドマナサン氏は天然ガス関連プロジェクトが今後もACWAの事業計画の一環を占めることを認めたが、同時に同社は参画する天然ガス火力発電事業の種類について「非常に慎重に精選する」と付け加えた。

同氏は「当社ではサウジ国内の他のエネルギー事業者と連携してCO2削減についての事業計画を管理する方法を検討しています」としている。

太陽光発電技術への投資の増加などで再生可能エネルギー生産のコスト削減が進むことで、中東の産油諸国ですらより費用効率の高い方法でグリーン(環境保護的)エネルギーを用いた電力を国内に供給することが可能になる、とパドマナサン氏は語る。

同氏は「好都合なことに、(グリーンエネルギーの)コストは化石燃料の生産コストが非常に安いサウジアラビアのような国家においても現在消費されるエネルギーで最も安い選択肢の1つとなるほど低くなっています」と述べた。

そして同氏は「電気分解を用いて水素を作りコストの安い再生エネルギーを生産することが可能になっており、現在では(化石燃料を使わない)グリーンな水素を作ることすら視野に入れることができるのです」と付け加えた。

ACWAは電力がすべて太陽光と風力によって供給される50億ドル規模のNeomプロジェクトの3分の1を出資している。2025年の始動時に同プロジェクトの発電施設は世界最大のグリーン水素発電所となる。

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