ゴブラン・モハメド
カイロ:エジプトとギリシャは、トリポリでリビアの国民統一政府(GNU)とトルコが交わした、リビア海域での天然ガスと石油探査に関する基本合意書を拒絶した。
リビアは現在、対抗する2つの政権の間で分裂状態にある。
片方はアブドゥルハミード・ドベイバ氏が率いるトリポリの国民統一政府であり、昨年選挙が実施されなかった後も辞任を拒否している。
もう片方はファティ・バシャガ氏率いる政府で、首都で政権樹立に失敗した後は東部の都市ベンガジを拠点としている。
トルコはトリポリのGNUを支持しているが、リビア議会はGNUの正統性に異議を唱えている。
GNUのナジラ・エル・マンクーシュ外相との共同記者会見で、トルコのメヴリュット・チャヴシュオール外務大臣は「トルコ・リビアの企業による、リビア領海および領土での石油・ガス探査のための基本合意書」の調印を発表した。
チャヴシュオール氏は、この合意書は「二国間の問題であり、他のどの国も干渉する権利はない」と強調し、トルコは「エネルギー不足に悩んではいない」とした上で「両国間の貿易額は40億ドルまで伸びるだろう」と期待を寄せた。
エル・マンクーシュ氏は、この合意書は双方の「利益にかなう」と述べた。
エジプトのサーメハ・シュクリ外相はギリシャのニコス・デンディアス外務大臣と電話で会談し、地域的問題について議論した。
両者はトリポリの政府にはいかなる国際的合意や覚書を交わす権限もないと強調し、シュクリ外相はこれを声明として発表した。
デンディアス氏はその後ツイッターに「最近のリビア情勢についてエジプトのシュクリ外相と会談。我々はいわゆる基本合意書に署名するための正当性がGNUにはないと考える」と投稿した。
デンディアス外相は、日曜日にカイロを訪問してこの件をさらに協議するという。
エジプト外務省のアフメド・アブ・ゼイド報道官はドベイバ氏には新たな合意、とりわけリビア国民の未来と資源の管理に関わる合意に署名する権限はないと述べた。
デンディアス外相は、ギリシャは「リビア情勢、特にGNUとトルコが炭化水素に関して結んだ基本合意書の締結を注視している」と述べた。
「ギリシャは当該地域に主権を有し、海洋に関する国際法に完全に準拠しながら、あらゆる法的手段を用いてこれを守る意志がある」ギリシャは「パートナー国および同盟国に対し、トルコが果たしている地域を不安定化させる役割を引き続き周知する」エジプト・ギリシャとトルコの対立は、2019年11月にトルコ政府とリビアの国民合意政府が地中海沿岸地域の主権をめぐって基本合意書を交わしたことにさかのぼる。
ギリシャの主張は以下の通りである。
「トルコ・リビア間の2019年の覚書は違法であり、無効であり、したがって存在しないことが知られている。
ゆえに、誰もそれを実行に移すことはできない」月曜日にはトルコ大統領の首席顧問、イブラヒム・カリン氏が率いる高官レベルの代表団がトリポリに到着した。
リビアのアグイラ・サーレハ下院議長は次のように述べた。
「GNUの首相によって結ばれたいかなる協定や条約、基本合意書も、2021年12月24日にその為政権が失効していることから、違法なものとして拒否されます」サーレハ氏はまた、ドベイバ政権が署名したいかなる基本合意書や条約、協定も「リビア国家およびリビア国民に対する拘束力を持たない」とした。
サーレハ氏の指摘によれば、いかなる合意書への署名も、国または議会の長によって、あるいはバシャガ氏率いる政府に代表される、議会の信任を得た正統な政府によってなされなければならない。
ギリシャはこの発言を歓迎している。
バシャガ政権は「これらの不正に対し、国内・地域・海外のパートナーと直接協議して適切に対応する」と表明した。
バシャガ政権側はこの石油探査の基本合意書は「リビアと周辺地域の安全と平和を脅かすもの」だとしている。
GNUの報道官、モハメド・ハムウダ氏はリビア・トルコ間の基本合意書は協力関係の強化につながると主張した。
政府の正統性をめぐって政治的膠着状態に陥っているリビアでは、国政選挙の実施が実現せず、再び内戦が起きるのではないかという懸念が生じている。