Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • ガザのがん患者の終わらない痛み

ガザのがん患者の終わらない痛み

ヨルダンのアンマン市フセイン国立がんセンター(KHCC)(ウィキメディア・コモンズ)
ヨルダンのアンマン市フセイン国立がんセンター(KHCC)(ウィキメディア・コモンズ)
Short Url:
06 Oct 2022 05:10:53 GMT9
06 Oct 2022 05:10:53 GMT9
  • ガザで治療を受けることができない患者たちは衛生局からの病院紹介と、ヨルダン川西岸またはイスラエルの病院へのイスラエル政府による渡航許可を必要としている。
  • ガザの衛生局によると、渡航禁止と、がん患者の治療プロトコル実行の遅延は過去5年間に3,000名を超える患者の死を招いている。

ハゼム バローシャ

ガザ市:エンサフ アブ ジャジョーさんは2014年に乳がんが見つかって以来その病に苦しんでいる。

ガザにおける彼女の治療は容易ではなく、必要な薬剤を入手するために奮闘する間にその病は三度再燃し、2021年に治療を受けるためにヨルダンに渡航することになった。

「乳がんを診断されたときはショックでした。その性質も治療法も知りませんでした。私が生きられるのかも死に至るのかも知りませんでした。」45歳で2人の娘の母であるアブ ジャジョーさんはアラブニュースにそう語った。

「ガザ地区では薬剤が不足しており、病の症状が2度目に現れた後、私は4か月間治療を受けられず、そのせいで病が再燃したとヨルダンの医師から聞きました。」

彼女のような話はガザで多く見られ、イスラエルの封鎖やハマスとファタハの政治的分断によりガザはがん薬剤の深刻な欠乏に見舞われている。

アブ ジャジョーさんは現地機関の支援によりヨルダンのフセイン国立がんセンターで支援を受けることができた。しかし同じ病に苦しむ他の多くの人々は彼女のように幸運ではない。

彼女はこう語った:「がん患者は治療渡航の困難や、完治しない恐れ、社会的な苦しみに加えて肉体的な痛みに苦しんでいます。私の夫は最初の年に私の病気を受け入れなかったため私は夫と別れました。」

「私の最近の治療渡航に関しては私は少し幸運だったかもしれませんが、ほとんどの女性はそうではありません」と彼女は続けた。

パレスチナ衛生局は昨年ガザにおいて363件の乳がんを記録したが、これはがん患者の総数の18.5%である。

乳がんは増加しており、2018年は300件、2019年は309件、2020年は324件である。死亡率も13%まで上昇している。

がん患者の治療と希望協会の会長イマム シャナン氏は、ガザ地区には乳がん検査の包括的な国家プログラムがないとアラブニュースに語った。

「ガザにおける乳がん患者は多くの問題に直面しており、なかでも重大なのは完全かつ定期的な治療の欠如であり、ガザ地区には形成外科もなければ放射線治療もありません。」

「女性の意識は向上しているかもしれませんが、早期発見に関して女性に教育するすべての公的機関および私的機関の定着した運動や明確なプログラムがなく、ヨルダン川西岸や国外の病院での治療許可を患者が取得する困難は言うまでもありません。」とシャナン氏は語った。

ガザで治療を受けることができない患者たちは衛生局からの病院紹介およびヨルダン川西岸またはイスラエルの病院へのイスラエル政府による渡航許可を必要としているが、国連パレスチナ地区人道問題調整機関によると、与えられる許可はその半数に満たない。

ある声明で、国連パレスチナ地区人道問題調整機関はこう述べた:「ヨルダン川西岸またはイスラエルでの治療を紹介された患者たちおよびその付添人は出発者の約7%を占めた。8月の診察予約を受けるための出国許可申請合計2,067件が提出されたが、承認が間に合ったのは42%だけだった。」

ガザの衛生局によると、渡航禁止およびがん患者の治療プロトコル実行の遅延は過去5年間に3,000名を超える患者の死を招いており、それには治療可能なケースや快復の兆候を見せていたケースも含まれている。

topics
特に人気
オススメ

return to top