
アラブニュース
ジェッダ:フランスは10月3日、イランがフランス人2人にスパイであることを自白させる映像を放映した後、イラン政権が2人を人質にしていると非難した。
フランスの教職員組合職員であるセシル・コーラー氏とそのパートナーのジャックス・パリス氏が、イランにおける「不安感」を煽ったという容疑で5月に逮捕された。フランスはこの逮捕を非難し、2人の即時釈放を要求した。
10月6日木曜日のテレビ映像で、コーラー氏はフランスの対外諜報機関のエージェントで、「革命とイラン・イスラム政権の転覆のための地固め」のためにイランにいることを「自白」した。パリス氏は次のように語った。「私たちのフランス秘密諜報機関での目的はイラン政府に圧力をかける事です」
この映像はフランスで憤りを巻き起こした。外務省の報道官、アンヌ・クレール・レジャンドル氏は、「彼らの自白を演出したことは、言語道断であり、ぞっとさせるものであり、容認できない、国際法に反しています」と述べた。
「この虚構は、イラン当局の特徴である人間の尊厳に対する軽視を明らかにするものであります。強要されて引き出したとされるこの自白には根拠がなく、恣意的な逮捕の理由も示されていません」
このフランス人夫妻のテレビ出演は、先月22歳のマフサ・アミニ氏が道徳警察の拘束下で死亡したことに対するイランの反政府デモが数週間続いたのと時を同じくして行われた。また、フランスの上院において全政党がイランの抗議行動に対する弾圧を非難する討論を行った翌日でもあった。
人権団体によると、イラン国営メディアは2010年から2020年の間に350以上の強要された自白を放送したという。イランでは4人のフランス人が獄中におり、フランスはもう1人が現在の抗議活動中に逮捕された可能性があるかどうかを調査している。
イランの人権活動家ら19の人権団体は10月5日のツイートにおいて、「マフサ・アミニ氏抗議デモへのイラン政権による暴力的弾圧とイランで進行中の人権危機への対処すること」をジョー・バイデン米大統領への公開書簡で要請した。
書簡には「イラン国民が権利と自由を獲得するためには、米国と国際社会全体の支援が必要だ」と書かれていた。