• この投票延期は、選挙区の線引きをめぐるクルディスタン民主党とクルディスタン愛国同盟の争いの結果生じた

エルビル：イラク北部クルディスタン自治区の議会は任期の 1 年間延長を決議し、国内でより広範にわたり政治が停滞していることを背景に投票を延期した。

クルディスタンでは前回の投票から 4 年となる今月、議会選挙が予定されていた。

2大政党が対立する中、議員たちは2023年後半に新たな議会メンバーが選出されるまで留任することになった。

地方議会の声明によれば、代議員111 人のうち 80 人がこの法案に賛成票を投じた。反対派の議員は棄権している。

この投票延期は、選挙区の線引きをめぐるクルディスタン民主党（KDP）とクルディスタン愛国同盟（PUK）との争いの結果生じたものだ。

しかし、これはまた同議会の 2大政党間のより広範な権力闘争の一部でもある。

ストックホルム国際平和研究所の研究員シヴァン・ファジル氏はこう述べている。

地方政府をコントロールしているKDP は、イラクのクルド人少数派メンバーが慣例的に歴任してきたイラク大統領のポストをPUKが要求していることに対して異議を唱えた。

PUK は 2005 年以降、大いに象徴的なこのポストを握っている。

「両当事者間の協力とコンセンサスは連邦レベルで欠如しており、それがクルディスタンにおける協力とコンセンサスの欠如をますます助長している」。

ファジル氏はこう述べた。

政治的な対立をめぐって議会はここ数十年で数回任期を延長しており、1990 年代は、KDPに属するバルザニー族とPUK に属するタラバニー族という、2つのライバル氏族間の争いがその原因だった。

今週、国連イラク担当特使のジャニン・ヘニス・プラスハルト氏は、適切な時期に選挙を実施しないことによる「政治への悪影響」と、「民主主義の基本原則の無視は、大きな代償の支払いに繋がる」と警告した。

「権力の独占は不安定を生む」。火曜日に特使は安全保障理事会でこう語った。

「これはイラク全体にも、クルディスタン地域にも当てはまる」クルド人の当局者たちは、この地域を、紛争が多発するイラクにおける安定の避難所として描いてきた。

この地域はいくつかの国際的慈善団体の本拠地となっており、同国内の他の地域よりも速いペースでインフラ整備と各種プロジェクトが進められてきた。

しかし活動家や反対勢力は、汚職や、恣意的な逮捕、抗議者に対する脅迫について非難してきた。

またこの地域は、地政学的に近隣諸国間の紛争の中心にもなっており、最近ではイラン、トルコからの攻撃の標的となっている。

9月28 日、イランは、イラク・クルディスタンのイラン系クルド人の反乱グループの複数拠点を標的に攻撃し、14 人を殺害、民間人を含む 58 人を負傷させた。

AFP