
エルサレム:12日、イスラエル警察とパレスチナ人がエルサレム東部全域で一晩中衝突した。東エルサレムでここ数カ月に起きた騒乱の中でトップクラスに激しい騒乱だった。
今週、東エルサレムの緊張は高まっている。警察が一つの地区で、今週起きた銃殺事件の犯人を徹底的に捜索しているからだ。その事件で兵士1人が死亡している。
一晩中続いた衝突は、13日の朝までには収まったように見えた。衝突が起きたのは、数万人のユダヤ人が、1週間にわたる「仮庵の祭り」を祝うためにエルサレムに集まり、しばしば緊張の焦点となるエルサレム旧市街に押し寄せていたときだった。
「衝突の後、23人を逮捕した。その半数は未成年だった」と警察は発表した。警察によると、覆面をかぶった抗議者らが警官に火炎瓶や石を投げつけ、花火を発射したという。イスラエル警察が公開したビデオ映像には、燃えているごみが散乱した道路や、火の付いたごみ箱が映っていた。
警察によると、警官が抗議者らに対し実弾を使用した事例はいくつかあったが、負傷の緊急報告はなかった。
今回の警察による捜索は、エルサレムの外れにあるシュアファト難民キャンプの住民の生活を抑圧している。そこは貧困地区であり、イスラエル当局に長い間無視されてきた。警察は当初、この地区の出入り口を閉鎖していた。その後、出入り口は再開されているが、警官がこの町を出入りする全車両を止めているため交通渋滞が起き、住民の日常生活に支障を来している。
これに対し、東エルサレム全域の商店や企業、学校は12日、警察の措置に抗議し、シュアファト難民キャンプと連帯して休業・休校した。
対立の火種である東エルサレムで暴力事件が増加する中、ヨルダン川西岸地区では緊張が高まっている。同地区でイスラエル軍は、過激派組織を解体し今後の攻撃を阻止する試みと称して今春から毎晩のように急襲を行っている。100人以上のパレスチナ人が殺され、今年は2015年以降では最も多くの死者が出た年になっている。イスラエルは死亡者の大半は過激派だと言っているが、侵略に抗議する地元の若者やその他の民間人も殺されている。
イスラエルは1967年の中東戦争で東エルサレムとヨルダン川西岸地区、ガザ地区を占領し、その後東エルサレムを併合した。イスラエルはエルサレム全域を永遠で不可分の首都と見なしている。パレスチナは、これらの地域を待望の独立したパレスチナ国家のものにし、東エルサレムを首都にしたいと考えている。
AP