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エルサレムをイスラエルの首都と認めないオーストラリアの姿勢をパレスチナが歓迎

パレスチナのムハンマド・シュタイエ首相は、オーストラリアが今後は1967年6月4日の国境に基づいたパレスチナ国を認めることを望んでいると述べた。(ロイター)
パレスチナのムハンマド・シュタイエ首相は、オーストラリアが今後は1967年6月4日の国境に基づいたパレスチナ国を認めることを望んでいると述べた。(ロイター)
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19 Oct 2022 11:10:33 GMT9
19 Oct 2022 11:10:33 GMT9
  • ムハンマド・シュタイエ首相は、この決定は国際法に沿ったもので、世界はパレスチナ自治区の併合を認めないというメッセージをイスラエルに伝えるものだと述べた
  • シュタイエ氏は、オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相の「賢明で勇気ある」決断を称賛した

モハメド・ナジブ

ラマッラー:オーストラリアは今後、エルサレムをイスラエルの首都とは認めないと発表した。この方針転換はイスラエルから非難を受けたが、パレスチナでは歓迎されている。

ペニー・ウォン外相は、以前の保守政権による論争の的となった決定を撤回し、エルサレムの地位はイスラエルとパレスチナの和平交渉によって決定されるべきだと述べた。

ウォン氏は「オーストラリアは、イスラエルと未来のパレスチナ人国家が国際的に認められた国境に従って、平和と安全の内に共存できる二国家解決を固く支持している」と述べ、「この展望を損なう取り組みは支持しない」とした。

パレスチナのムハンマド・シュタイエ首相は、この決定は国際法に沿ったもので、世界はパレスチナ自治区の併合を認めないというメッセージをイスラエルに伝えるものだと述べた。

シュタイエ氏は、オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相の「賢明で勇気ある」決断を称賛し、「真実、正義、自由の価値と、パレスチナの人々の正当な権利に対するオーストラリアの尊重と支持」を証明するものだと述べた。

同氏は、オーストラリアが今後は、1967年6月4日の国境に基づいたパレスチナ国を認め、エルサレムをその首都と認めることを望んでいると述べた。

パレスチナ解放機構の高官フセイン・アルシェイク氏は次のようにツイッターに投稿した。「オーストラリアによるエルサレムに関する決定と、国際的正当性のもとでの二国家解決を求める呼びかけ、そして、エルサレムに対する主権の未来は国際的正当性に基づく恒久的解決策である二国家解決によって決まるという主張を高く評価する」

イスラエル政府は、オーストラリアの方針転換に失望したと述べた。

イスラエル外務省はオーストラリアの大使を呼び出して抗議を伝えた。また、ヤイール・ラピード首相は次のように述べた。「エルサレムはイスラエルの永遠かつ一体的な首都であり、何があってもそれが変わることはない」

パレスチナ外相の顧問アフマド・アルディーク氏は、アラブニュースに対し、以前のオーストラリア政府は歴史的な過ちを犯したと述べた。

同氏は「エルサレムは地域の平和の鍵であり、エルサレムなくしてパレスチナ人の国家はあり得ないため、エルサレムに関して国際レベルで外交的、政治的な闘争に取り組んでいる」と述べた。

また、「イスラエルは、大使館をエルサレムに移し、エルサレムをイスラエルの一体的な首都だと認めるよう各国を説得しようとしている。オーストラリアの動きが、こういったイスラエルの企てを終わらせることを期待している」とも述べている。

アルディーク氏は、「エルサレムは1967年に占領されたパレスチナ自治区の不可欠な一部だという国際的合意がほぼ確立されている」として、さらなる方針転換を求め、「この問題は占領軍ではなく、交渉によって決められるべきものだ」と述べた。

ハマス幹部のバシム・ナエイム氏は、ハマスは今回の決定を、世界の平和と安定に向かう正しい方向への一歩であり、「イスラエルの外交的失敗の新たな証拠」だと考えていると述べた。

「エルサレムはこれまでも、これからも常にパレスチナの人々によるイスラエルの占領に対する自由闘争の中心地であり続ける」と同氏は述べた。

「イスラエルによる占領は、新たな現実を押しつけることで、パレスチナ人の権利を否定しようとするもので、エルサレムとその聖性に関する国際法を露骨に無視してきた」

同氏は国際社会に対し、イスラエルの指導者らに「戦争犯罪とパレスチナの人々に対して犯した人道に対する罪」の責任をとらせるよう求めた。

イスラエルは、1967年の第三次中東戦争の後に東エルサレムを併合し、エルサレム全体を「永遠かつ不可分の首都」と宣言した。パレスチナ側はエルサレムの東部分を未来のパレスチナ人国家の首都だと主張している。

2017年に当時の米国大統領ドナルド・トランプ氏が、70年にわたる米国の外交政策を変更し、エルサレムはイスラエルの首都だと明言した。米国は翌年に大使館をテルアビブからエルサレムに移した。オーストラリアなどの数か国がトランプ氏に続いた。

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