チュニス:火曜日、チュニジア南部沿岸の町がデモによって麻痺状態に陥った。先月の移民船沈没で溺死した人々について、一部を墓標のない墓に埋葬するなどの対応がなされたことをめぐって怒りが高まる中でのことだ。
影響力のある労働組合であるUGTTが火曜日にザルジスでのゼネストを呼びかけたことで、数日間小規模に行われていた、当局に対して行方不明者の捜索や生活条件の改善のためにもっと動くよう要求するデモが頂点に達した。
画像からは、ザルジスの通りを埋め尽くしたデモ隊が反体制スローガンを唱える中、店や政府施設が閉まっている様子が確認できる。
15歳の息子ワリドさんが行方不明者の中に含まれているサリム・ズレイダットさんは、「今日も国は私たちを無視し続けており、溺れた人たちを探そうともしません」と言う。
「子供たちが逃げ出さないようにするために国は何をしてくれたでしょうか?雇用はあるのでしょうか。
何もありません」と彼は言い、ワリドは優秀な生徒だったのにチュニジアには未来がないと思ったのだと嘆いた。
政治的激変により経済が停滞し財政が危機に陥る中、多くのチュニジア国民が欧州への不法移住ルートに加わるために壊れそうなボートに乗り込んでいる。
今年、チュニジア東岸からイタリアのランペドゥーザ島に渡ろうとしたボートの沈没事故が複数回発生して数十人が死亡している。
デモが今月ザルジスで始まったのは、18人の移民を乗せていたとされるボートが消息を絶ったことを受けてのことだった。
先週、沈没船を捜索していた地元の漁師たちが8人の遺体を発見した。
彼らの身元を特定しようともせずに遺体を移民用の墓地に埋葬したのみならず、行方不明者の捜索を遅々として進めない当局に対して怒りの声が高まった。
失業や食料・燃料不足に対する怒りがチュニジア全国で高まる中、首都の貧しいエタダメン地区では4夜連続でデモが発生し、若者たちが警察と衝突した。
ロイター