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イラン反体制派組織、市民による政権打倒への支援を欧米に要請

マフサ・アミニさん(22)の死は、警官の殴打によるものであるとの見方が強い。(AFP)
マフサ・アミニさん(22)の死は、警官の殴打によるものであるとの見方が強い。(AFP)
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20 Oct 2022 10:10:34 GMT9
20 Oct 2022 10:10:34 GMT9
  • イランの在外反体制派組織、国民抵抗評議会(NCRI)は欧米諸国に対し、すべてのイラン大使館を閉鎖し、外交官を追放するよう要請した
  • 「いまイランで起きている出来事は、革命前夜であることのすべての特徴を備えている。もう後戻りはできない」と、NCRIの米国代表は述べている

アリ・ユネス

ワシントン:イラン国内で2ヵ月連続となる政権への抗議行動が続く中、亡命中のイラン反体制派グループ、国民抵抗評議会(NCRI)のメンバーは19日、欧米に対しイラン政府への圧力を強めるよう要請した。

国民抵抗評議会は、アラブニュース記者が出席した米ワシントンでの会見で、欧米諸国の政府はすべてのイラン大使館の閉鎖を命じ、イラン政権に対してより厳しい制裁を科すべきだと述べた。

現在の広範な抗議運動は、22歳のイラン人女性マフサ・アミニさんがイラン警察に拘束され、9月16日に死亡した直後から始まった。アミニさんは死の3日前、女性の服装に関する厳しい規則に従わなかったとして、いわゆる道徳警察に逮捕された。

アミニさんの死は、警官の殴打によるものであるとの見方が強い。イラン政府はこれを否定しているが、憤慨した市民は納得せず、数週間前から街頭に出て抗議行動を展開。それを抑え込もうとする治安部隊による残忍な弾圧が行われ、多くの死傷者や逮捕者が出ている。

イランは、1979年の革命で親欧米の支配者である国王が打倒されて以来、宗教勢力に支配されている。イランの女性は、西洋風の服装を避けて控えめな装いにし、公共の場ではヒジャブ(スカーフ)で髪を隠すといった政府の制限に従わなければならない。

NCRIの米国代表であるソオナ・サムサミ氏は、現在の抗議デモは2017年以降の他のデモよりも長引いており、主に女性や若いイラン人が主導して政権の打倒を要求しているのが特徴だと述べた。

「いまイランで起きている出来事は、革命前夜であることのすべての特徴を備えている」と同氏は述べた。「人々の恐怖が消え、政権の側が恐怖に包まれるという、歴史的な転換点を迎えた。もう後戻りはできない」

サムサミ氏は、世界中のイラン大使館を閉鎖し、同国の外交官を追放することにより、イラン政権に対して一致団結して立ち向かうよう国際社会に呼びかけた。また、米国とEUに対し、イラン国民とその “イラン民主革命”への支持を示すよう促した。

ジョー・バイデン米大統領は今月、イラン政府に対し、今回の騒乱で平和的なデモ参加者を弾圧したことを非難するとともに、基本的人権を守り、人間の尊厳を保つよう要求。さらに、米国は、イラン人女性および同国のすべての国民と共にある、と付言した。

バイデン氏は、「イランの政権は何十年もの間、国民の基本的な自由を否定し、脅迫、強制、暴力によって数世代にわたる国民の願いを抑え込んできた」と述べた。

イランのイブラヒム・ライシ大統領は、人権を口実にイラン人の政権に対する行動を扇動し、イラン社会の分裂を引き起こし、国を不安定にさせようとしている、とバイデン氏を非難した。

さらにライシ氏は、「イランの混乱、テロ、不安を支持する米大統領の発言は、人権、安全、平和を守るという米国の主張の偽りを再び証明し、“大悪党国家”という称号に意味を与えた」と述べた。

NCRIワシントン事務所副所長のアリレザ・ジャファルザデ氏は19日の会見で、イラン政府のイスラム革命防衛隊が現在行われている抗議行動を抑圧し、さらなる広がりを妨害しようとしていることについて説明した。

「我々が受け取った何百もの報告によると、IRGCとその準軍事民兵組織バシジ(Basij)の私服部隊は、最大の残虐性と悪意をもってデモ参加者を殴り、重傷を負わせている」。同氏はこのように述べた。

「彼らの戦術の一つは、デモ参加者の頭を殴ったり、手足の骨を折ったりすることだ。そうすれば参加者は事実上、一定期間はデモに参加し続けることができなくなる」

また、ジャファルザデ氏は、イラン軍が、悪名高いエビン刑務所で、政権に抗議した囚人数十人を殺害したと述べ、この事件を「人道に対する罪」であると表現した。

「2022年10月15日、最高指導者を警護するIRGC特殊部隊によるエビン刑務所への襲撃で、30~40人の囚人が殺害された」と同氏は述べた。

「囚人への襲撃は事前から計画されていた。野蛮な看守が、何人かの囚人を屋根から投げ落とした」(ジャファルザデ氏)。

イラン政府高官は、これらの囚人の死因は刑務所の火災による「煙の吸引」であり、その火災は「数多くの敵の工作員による犯罪」だったと述べた。

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