
ベイルート:レバノン軍のアバス・イブラヒム少将は、10年前にシリアで行方不明になったアメリカ人ジャーナリスト、オースティン・タイス氏の行方について、アメリカとシリアの間で調停を続けていると、火曜日に述べた。
アメリカは、タイス氏はシリア当局に拘束されていると主張している。
タイス氏は2012年8月14日に31歳の誕生日を迎えた直後に、シリアの首都ダマスカス西部の紛争地域の検問所で行方不明になった。
1カ月後に公開された動画には、彼が目隠しをされ、武装した男たちに拘束されている様子が映っていた。
それ以来、彼の消息はわかっていない。
レバノン軍のアバス・イブラヒム少将は、タイス氏の解放に向けた調停活動の一環として5月にワシントンで米当局者と会談した。
同氏は火曜日にベイルートで記者団に対し、作戦は進行中だが、それは「長期に渡り、複雑である」と述べた。
レバノン総合安全保障局長を務めるイブラヒム氏は、過去に複雑な人質解放の仲介を行った実績があり、定期的にシリアを訪問している。
8月、ジョー・バイデン大統領は、シリアがタイス氏を拘束していると非難した。
これは、バッシャール・アサド大統領政権がタイス氏を拘束しているというアメリカの確信を、かつてないほど明確に示したものである。
その数ヶ月前の5月、バイデン大統領はタイス氏の両親と面会し、「オースティンが長い間待ち望んでいた家族のもとに戻る」ことへのコミットメントを改めて表明した。
シリアは直ちにタイスやその他のアメリカ人を拘束していることを否定した。
ベイルートでの記者会見で、イブラヒム少将は明るい口調で、「進展はゆっくりかもしれないが、予定通りに進んでいる」と述べた。
「双方向の交渉が止まることはない」とも。
ヒューストン出身のタイス氏は、シリアで行方不明になった二人のアメリカ人のうちの一人である。
もう1人はバージニア州出身の心理学者、マジド・カマルマズ氏で、2017年に現地で消息を絶った。
タイス氏の記事は、ワシントン・ポスト紙やマクラッチー新聞などに掲載されている。
彼は、2011年に始まった紛争が瞬く間に本格的な内戦に発展したシリアで取材を行った。
シリアにおいてはこの戦争で数十万人が死亡し、人口2,300万人のうち半分近くが避難している。そのうちの500万人以上が現在もシリア国外にいる。
AFP