
アラブニュース
アブダビ:COP27を前に、EUと湾岸協力理事会(GCC)との間に気候変動問題に関するより緊密な関係を築くことを目的としたウェビナーが開催された。エミレーツ通信が伝えた。
「建築部門におけるエネルギー効率に関するEU-GCCウェビナー:実質脱炭素化に向けた重要な推進力」と題したこのイベントには、欧州や湾岸諸国の政策立案者や民間部門の代表ら約100人が参加した。
専門家らは、気候変動、建築部門におけるエネルギー効率の課題、エネルギー効率の促進のために必要とされる戦略・政策・規制などをめぐる現在の議論に取り組んだ。
また、投資と金融、エネルギー効率部門におけるビジネスモデル、地域および世界における持続可能な成長・開発の必要性などについても議論された。
建築部門の脱炭素化に向けた重要な推進力としてエネルギー効率に注目するこのイベントは、迅速・部門横断的・人間中心的な介入を通した集団的行動を呼びかけた。
参加者は、低エネルギー効率や燃料補助金への慢性的な依存といった問題に対する実践的な解決策を提示し、費用対効果の高いエネルギー消費におけるクリーンエネルギーの役割について議論した。
アンドレア・マッテオ・フォンタナ駐UAE・EU大使は次のように述べた。「EUは世界的な気候変動対策に全面的に取り組んでおり、2050年までに世界初の気候中立な大陸となるという野心的な目標を設定している」
「その目的に向け、我々自身に対する法的拘束力のある目標を設定した(2030年の中間目標を含む)。この目標の実現には公共・民間部門の全ての利害関係者の連携を必要とする」
「建築部門におけるエネルギー効率最大化はグリーンエネルギー移行の重要な柱だ。UAEおよび湾岸諸国のパートナーと協力して脱炭素アジェンダを前進させることを楽しみにしている」
GCC事務総局エネルギー担当ディレクターのモハメド・アル・ラシディ氏は次のように述べた。「GCC加盟国は、より持続可能・効率的・高費用対効果なエネルギー利用方法を目指すクリーンエネルギー移行の道筋に乗り出している」
「刺激的なビジョンや野心的なプロジェクトが立ち上がることで地域において真の変化が起こりつつあるのを我々は目の当たりにしている。それにより、GCCとEUとがこの努力におけるパートナーとなるための魅力的な環境が生み出される」
エネルギー効率と再生可能エネルギーはあらゆるグリーンエネルギー移行にとっての主な柱だ。この2つの政策により、安全・安価・簡便な技術を通して、エネルギー関連の二酸化炭素排出について必要とされる削減量の90%が提供される。
EUは5月、EUとGCCの二者間協力の拡大を目指す「湾岸諸国との戦略的パートナーシップに関する共同声明」を発表した。この声明は、エネルギー、グリーン移行と気候変動、貿易と経済多角化、地域の安定と世界の安全保障、人道・開発の課題、人と人のより緊密な接触などに関する協力を強化するための具体案を提示した。