• 評論家によると、この法の下では何が偽りまたは誤解を与えるものかという基準があいまいなため濫用の恐れがあり、今回の法律は来年の選挙を前に言論の自由および誰が訴追の対象になりうるかをめぐって深刻な懸念を呼び起こしている

イスタンブール：トルコの最大野党は、自党の指導者がドラッグの「蔓延」について当局を非難した発言に関し警察が検察官に捜査の開始を求めたことを受けて、彼は「虚偽情報」を取り締まる法の最初の標的であると表明した。

先月トルコ議会で、タイイップ・エルドアン大統領率いる与党が実現に向け動いていた法律が成立した。

この法律によって、判事は偽りの、または誤解を与える情報を広めた者には誰でも最大3年の懲役刑を課すことができるようになった。

評論家によると、この法の下では何が偽りまたは誤解を与えるものかという基準があいまいなため濫用の恐れがあり、今回の法律は来年の選挙を前に言論の自由および誰が訴追の対象になりうるかをめぐって深刻な懸念を呼び起こしている。

10月31日、共和人民党（CHP）のケマル・クルチダルオール党首はツイッターに、トルコ政府は国内に入ってくる資金の出どころを疑問に付さないが、ドラッグ密輸による「汚れた金」がトルコの経常収支の赤字補填に使われていると投稿した。

11月2日、エルドアン大統領はクルチダルオール氏がこのような主張をしたことに対し「卑劣だ」とした上で、トルコは違法薬物取引との闘いに勝利しつつあると主張した。

多くの人がクルチダルオール氏を、来年6月に予定されている大統領選でエルドアン氏に挑戦する第一の候補だと見なしている。

CHPの主要議員、エンギン・アルタイ氏は11月3日、クルチダルオール氏が「検閲法の最初の標的であり…最初の成果だ」と述べた。

アルタイ氏およびメディアの報道によると、トルコ警察本部はクルチダルオール氏がツイッターに投稿した動画で行っている主張に関し、主席検察官に対し苦情を申し立てており、訴訟の開始を求めている。

トルコ警察と内務省は、この件についてコメントを拒否した。

反政権派の新聞Cumhuriyetによると、警察による申し立ての内容は、ツイッターに投稿された動画は「根拠のない」主張で警察の名誉を汚すことを目的としており、「誤解を招く情報を国民に広めた」ことに対し訴訟手続きを開始するよう求めるものである。

トルコ政府は、新法の目的はオンラインの出版物を規制して国を守り、偽情報と闘うことだとして、人権団体やトルコと同盟関係にある西側諸国からの批判を一蹴している。

ロイター