
イスタンブール: 欧州人権裁判所は、ネバハット・アッコック氏がトルコで拘束されている間に拷問を受けたとの判決を2000年に下した。この判決は女性の権利を求める闘いを続けていく上で同氏自身やそうした人々にとって大きな励みとなり、これ以降の人生が一変したと話す。
しかし、いま同氏はトルコ人がそうした保護を失うことを危惧している。収監中の事業家・慈善家のオスマン・カバラ氏を釈放すべきとの2019年の人権裁判所の判決をトルコが履行しなかったため、トルコはいま欧州評議会から除名措置に直面している。
欧州評議会の閣僚委員会はアンカラに対して侵害訴訟を開始し、今までのところは対話を強調しているが、最終的にはトルコの除名や加盟資格の停止につながる可能性があるというのが専門家の見解だ。
欧州評議会のスポークスマンは措置としてあり得ることについての質問に対して、どのような段階を踏むか、またタイミングがどうなるかを決定するのは委員会だと述べた。
欧州人権裁判所の記録では、1959年から2021年の間にトルコ関連で3,820件の判決を下したうちの3,385件が人権侵害にあたり、これはどの国よりも高い件数だ。トルコは加盟国46カ国で人口が最も大きく、多くの国より先に条約に調印している。
加盟国に対して侵害訴訟の手続が開始されるのは2度目となる。
前回の事例では、最終的にアゼルバイジャンが人権裁判所の判定を履行した。
除名の影響の説明はないが、専門家はトルコを除名すべきではないという。何千人もの人々に補償を与えてきた枠組みを8,500万のトルコ国民から奪うことになるからだ。
「欧州評議会が致命傷を加えないことを望むばかりです」と著名な女性の権利擁護者のアッコック氏は語った。
「私は(トルコ)当局が欧州人権裁判所の判決を履行し、西側世界から完全に断絶されないことを望みます」
同氏はトルコが人権裁判所の判決履行を拒否しているため「悲観的」になっていると語った。
もしトルコが欧州人権条約に縛られなくなれば、トルコでは法の支配は有名無実になってしまうだろうと彼女は補足した。