
パリ:エマニュエル・マクロン大統領と会談した反体制派イラン人女性らは12日、この会談をフランスによる歴史的な動きとして称賛し、イスラム共和国体制に対する具体的な行動を主導するよう同国に求めた。
マフサ・アミニさんが道徳警察に逮捕された後に死亡した事件を機にイラン全土で反体制デモが起こっている中、マクロン大統領は11日、事前に公表していなかったイランの著名な女性活動家4人との会談を行った。
この4人の中には、米国を拠点とする活動家で、イランの女性に対して義務付けられているヒジャブを外すよう呼びかける運動を長年行っているマシ・アリネジャド氏も含まれていた。
同氏がエリゼ宮殿でマクロン大統領と一対一の会談を始めた後に他の3人の活動家が合流したと、参加者らがAFPに語った。
他の3人は、イランで失踪した父親のために正義を求めて運動しているシマ・ババエイ氏、ワシントンを拠点とする人権団体「アブドルラフマン・ボロマンド人権センター」の共同設立者であるラダン・ボロマンド氏、デモ弾圧が始まった頃に母親のミノオ・マジディさんを治安部隊に殺されたロヤ・ピレイ氏だ。
ボロマンド氏はAFPに対し次のように語った。
「この会談は非常に重要なものとなった。(1979年のイスラム革命以来)43年間、フランス大統領と公式な立場で会談したイランの反体制派は一人もいなかった」
「画期的なことだ」
「この歴史的な会談に関して最も重要なのは、イランで進行中の闘いの正当性が認められることの心理的影響だ。今こそ政府に行動を求めることが必要だ」
4人はフランス政府に対する要求リストを提出した。
AFPが入手した文書によると、駐テヘラン大使の呼び戻し、外交関係の最小限度への抑制、デモ弾圧に関与した当局者に対する制裁などが含まれている。
11日の会談後、マクロン大統領はパリで行われた記者会見で、「彼らが率いている革命に敬意と称賛を表明する」と述べた。
アリネジャド氏はAFPに対し次のようにコメントした。
「マクロン大統領はイランの革命を認めてくれた。正に歴史的な決断だ。今こそ歴史の正しい側に立ち普遍的価値を支持する時だ」
「きっと簡単なことではなかったと思う。それでも彼は勇敢で信念に基づいた立場を明確に示してくれた」
マクロン大統領は先月、フランスはイランのデモを「支持する」と述べ、同国でデモをしている女性たちや若者たちに対する「称賛」を表明していた。
イラン外務省は、同大統領の発言は「お節介」であり「暴力や法律違反」を助長するものだと反発した。
フランス・インターラジオはイラン問題に関するマクロン大統領のインタビューを14日に放送する予定だ。
マクロン大統領は2015年のイラン核合意の復活に向けて努力する中で、9月の国連総会の際にイランのイブラヒム・ライシ大統領と会談したが、アリネジャド氏や他の活動家はそれを激しく批判していた。
昨年以来イランで行方不明になっている父親のエブラヒムさんの消息を知るために運動を行っているババエイ氏は、ロシアがウクライナに対してしたのと同様にイスラム共和国は「私の国を占領してしまった」とマクロン大統領に話したという。
同氏は、「だから、(ウラジミール・)プーチン(大統領)に対してしたことをイスラム共和国に対してもしてほしい。
イラン国民の革命を認めてほしい」とツイートした。
ピレイ氏は、頭を刈って坊主頭になった状態でイランの母親の墓の前に立つ写真が拡散した後、現在は国外に住んでいる。
同氏は切り落とした髪をデモへの連帯の象徴として持っていた。
ババエイ氏は、エリゼ宮殿でで固く抱き合う4人の写真をツイッターに投稿した。
「これは、エリゼ宮殿で私たちがイスラム共和国のプロパガンダに打ち勝ってイラン国民の声となった瞬間」と言い添えられている。
AFP