

Najia Houssari
ベイルート:ベイルートでかつてない規模の暴動が夜通し続き、400人近くの負傷者が出た。レバノンの抗議者たちは日曜日、再びデモに繰り出した。
国会議事堂の外で石を投げつける若者たちに対し治安部隊が放水砲を発射した。抗議者たちは「革命」を叫びながら有刺鉄線や柵をのぼり、建物の襲撃を試みた。
治安部隊は、排除されたくなければ冷静さを保つようにと人々に呼びかけた。
「怖くありません。すべて将来と子供たちのためです」と抗議者の1人、バッサム・タレブさんは語った。
「国は機能していません。政府は何の行動もとらない泥棒の集まりです。銀行にお金があっても、100ドルおろすことすらできないのです」
ある抗議者は火災放射器を使って治安部隊をあざけり、別の抗議者は緑色のレーザー光を部隊に向かって照射した。機動隊はこれに放水砲、催涙ガス、ゴム弾で対抗した。
今回の新たな暴動は、土曜日の夜に国会議事堂の近くで発生した5時間にわたる抗議者と治安部隊の対立に続くものだ。
抗議者たちは、爆竹の他に信号機、木の枝、マンホールの蓋、タイルなどを手当たり次第に投げながら、国会議事堂を目指して防犯柵や鉄製の壁を乗り越えようとした。
治安部隊は放水砲や催涙ガスでこれに対抗し、レバノン軍にも応援が求められた。
レバノンでは、国民が汚職や政治エリート、経済的苦境に対する抗議デモに繰り出した10月以降、混乱が続いている。
しかし土曜夜のデモはこれまででもっとも激しいものとなり、国民の怒りが鎮まる気配もない。
10月29日にはサード・ハリーリー氏が首相の座を退いたが、暫定首相の地位にとどまった。同氏の後継者としてハッサン・ディアブ氏が指名されたが、派閥間の政治的争いが続く中、政権は樹立できていない。
ハリーリー氏は次のように語っている。「混乱を鎮める方法はある。時間を無駄にするのをやめ、政権を樹立し、政治的・経済的解決策に門戸を開くのだ。陸軍、治安部隊、抗議者が対立し続けることは、無意味であって解決策にはつながらない」