
ワシントンD.C.:「逮捕し、追跡し、殺害せよ」。この命令は、2012年初頭、ダラア市のシリア軍情報部の支部にかつて所有されていた公文書に、明確に綴られていたものだ。
こうした命令や、処刑の隠蔽工作を示す一連の映像が、ワシントンD.C.に拠点を置くNGOの研究者たちに漏れ伝わっていたのである。
シリア正義と説明責任センター(SJAC)は、2012年から2013年にかけて、南部のダラア県で遺体が焼かれ、集団墓地に運ばれる様子を撮影した映像を分析し、遺体を運ぶトラックを監視する衛星画像と照らし合わせた。
4本の映像は、シリアがアサド大統領政権に対する本格的な反乱の渦中にあった頃、埃っぽい村の外でガソリンをかけられ、バーン・ピット(廃棄物焼却用の穴)に投げ込まれる遺体の列を映し出していた。
「このプロセスは、すべての遺体に対して全く同じ手順で繰り返されており、この行為の組織的性格を示すとともに、このグループの関係者がこのような操作を行ったのは今回だけではない可能性を示唆しています」とセンター職員らは語った。
彼らは、映像に映っている15人の遺体は、2012年12月にダラアでの家宅捜索で政府軍に殺された民間人と脱走兵のものだと考えている。
映像は、ダラアのアルマスミヤにあるシリア軍情報部支部と第9師団第34機甲旅団の幹部が、非武装の民間人を大量に殺害した疑いのある証拠の隠滅に関与していることを示している。
遺体を焼却した後、シリア軍所有の掘削機で、軍の検問所からほど近い場所に集団墓地を掘ったのだ。
加害者たちが、自分たちの犯した罪が外部に知られることはないと考えていたのは明白だ。
アブ・タヘル氏という情報将校が、上層部からの明確な指示で、死体への虐待とその後の焼却を撮影した。上層部はおそらく、自らの指示が守られていることを確認したかったのだろう。
また、ファディ・アル・クジ少佐と名乗る将校が、自分のデジタルカメラを使って、遺体が焼却される前の犠牲者の顔を撮影している様子も撮影されている。
SJACの研究者たちによるとこのビデオクリップを受け取ったのは、その後、反政府勢力が、そこにいたアサド支持派を乗せた車列を奇襲した時だということだ。
SJACの創設者であるモハマド・アル・アブダラ氏は、この映像は、シリアの情報機関が上級指導者の命令に基づいて大量虐殺を記録する組織的プロセスを構築していたことを示す強力な物的証拠であるとアラブニュースに語った。
「文書化は、情報部のメンバーによって組織的に行われたようです。撮影の組織的プロセス、デジタルカメラ、中央のノートパソコンへのデータ転送、部下による撮影に上官が憤りながらも撮影中止を命令できないこと、これらはすべて上官によって撮影が命令されていたことを明確に示しています」
これらの映像を世界に公開し、分析することで、弔うべき遺体すら渡されなかった犠牲者の遺族に少しでも気持ちの整理をつけてもらいたいと同氏は考えている。
「私たちの分析では、この撮影は主に犠牲者の身元の記録を目的としていましたが、部隊が命令を実行したという証拠を提供することも目的としていたようです」とアル・アブダラ氏は述べた。
「犠牲者の身元を記録することは、例えば拷問の犠牲者の場合、シリア情報部が行っていた行為である。シーザーの写真で確認しました」
同氏は「シーザー」と呼ばれるシリア人に言及しており、彼はアサド政権による民間人に対する拷問を、2014年のシリア人抑留者レポートまたはシーザー・レポートとして知られるようになった文書に記録している人物である。
いわゆるバーン・ピット映像は、シリアの様々な国家保安機関が制定したゾッとするような官僚主義的政策の一環として、大量処刑と遺体処理の試みを記録する慣行を裏付けるように思えた。
SJACが暴露したこれらの最新映像は、元シリア軍情報部の写真家、コードネーム「シーザー」が以前リークした恐ろしい証拠に追加されたものだ。シーザーは、処刑された抑留者(犠牲者はそれぞれ番号が与えられ、密かに処分された)の写真1,000枚が入ったサムドライブを携えてシリアを脱出した。
4月に『ニューラインズ』誌と英国『ガーディアン』紙に掲載された報告書には、2013年に数十人が殺害された事件で政権軍が関与していることが示されている。
最も重要な証拠は、政権に反旗を翻したダマスカス南郊のタダモンで、シリア軍将校が市民を略式大量処刑する様子を撮影した携帯電話の映像であった。
アル・アブダラ氏は、ダラアの映像は、大規模な残虐行為を指揮する明確な階層が存在し、こうした命令を実行する個人はその作業に残酷なほど慣れていることを証明していると指摘した。
「最初に思ったのは、彼らがそのような犯罪を数多く犯していることは知っていましたが、撮影がお役所仕事的で一元的に行われているとは思えませんでした」
「その後、映像を何度も見ているうちに、この将校たちにとって、その行為がごく普通のことであることが明らかになりました。彼らは音楽を聴き、(レバノンの歌手)ファイルーズを聴きながら、朝の攻撃に備え、準備をしていたのです」
アル・アブダラ氏は、残虐行為を公表することで、将来的に戦争犯罪の訴追に使える証拠を確立し、アサド政権がどのような罪を犯してきたかを世界に思い起こさせるという2つの目的が果たされることを願った。
「このような犯罪を掘り起こすことが、間違いなく正常化の試みの真っただ中になり、このような犯罪とシリアの情報機関が敵対者への対処の際に陥った残虐性の深さを世界に思い起こさせます」と同氏は語った。
「現在、加害者の顔写真ファイルを作成し、欧州当局と共有することで、現在欧州に滞在中の加害者がいた場合に責任を追及できるようにしています」
「ここでの正義の非常に重要な側面は、同様に行方不明の家族の一員の知識を得られるかもしれない家族の方々のための気持ちの整理です」
今のところ、映像に映し出された被害者を連れ戻すことはできない。
ある家族の一人は、アル・アブダラ氏に、遺体にガソリンをかけられて焼却される前に、行方不明の息子を確認したと考えていると語った。
この特に陰惨な行為に関わった軍の情報将校の何人かは、その後の反乱軍の奇襲で死亡している。
処刑と遺体の焼却を命じた者たちは、今もアサド政権軍に所属していると思われる。
2011年の暴動以来、アサド政権による平和的なデモ参加者たちへの残忍な弾圧をきっかけに、シリア当局は拘束者への拷問、レイプ、性的暴行、超法規的処刑で告発されてきた。
証拠保全を行い、残虐行為に関与した政権幹部の身元が公になることは、人権活動家と犠牲者の家族が、どんなに遠くても将来正義が果たされるかもしれないという希望を少なくとも持ち続けることができる、ということを意味する。
アル・アブダラ氏と同氏のチームは、最新の証拠映像の公開によってもたらされた新たな手がかりを追っているところだ。
「公表と加害者の特定は非常に重要です。公開直後から、この犯罪について何か知っている人たちから、協力したいという電話やメールが来るようになったのです。実際、このような行為は複数の場所、かつ他の地方でもあったと考えています」と同氏は語った。
処刑、集団埋葬、遺体の焼却を詳細に記した写真、映像、命令書は、国際社会の記憶から徐々に失われつつあった内戦の戦局を思い起こさせる。
しかしその存在に光を当て、明白な戦争犯罪を指示・実行した者たちを明らかにすることで、シリアの紛争に無感覚になり、そこから遠ざかっているように見える世界に対して、大きな、紛れもないメッセージを送ることができるだろう。
被害者全員が特定されたわけではないが、捜査当局は「どんなに時間がかかっても、犯人を執拗に追いかけるということを知らしめたい」と述べている。