
ベイルート:シリアで米国が支援するクルド人主導の主要部隊の司令官は26日、ここ1週間のトルコによるシリア北部への攻撃を理由に、ダーイシュ集団に対する掃討作戦を停止したと述べた。
シリア民主軍のマズルム・アブディ司令官は記者団に対し、トルコによるシリア北部への約1週間にわたる空爆の後、同国政府は現在、地上攻撃の準備をしていると語った。
アブディ氏は、トルコに支援された反政府派の戦闘員が、その作戦に参加する準備を進めているという。
アブディ氏は、過去1週間のトルコの攻撃により、この地域のインフラに深刻な被害を受けたと付け加えた。
アブディ氏は、トルコは11月13日にイスタンブールで起きた致命的な爆破事件を利用していると述べた。
トルコ政府はこの事件について、クルド人グループの仕業だと非難しているという。
クルド人組織は、6人が死亡し数十人が負傷したこのイスタンブールの襲撃事件への関与を否定している。
トルコはこの1週間、イスタンブールのテロ事件への報復だとして、近隣のシリアやイラクに潜むクルド人反政府派とみられる人物への空爆を相次いで行った。
アブディ氏は、「ダーイシュ」との戦いで国際的な連合とともに象徴的な働きを見せている部隊が今、トルコ国家の標的となっている。
このため、(軍事)作戦は停止した」とし、「イラクとレバントのイスラム国」のアラビア語の頭文字であるダーイシュ(Daesh)の語を使ってこう述べた。「対ダーイシュ作戦は停止した」
同氏の発言は、米軍が、シリア北東部の町シャダデの基地にいた米国主導の連合軍が2発のロケット弾により攻撃されたものの、「基地や連合軍の財産に関する負傷や損害はなかった」と発表した数時間後に出されたものだった。
米軍の声明によると、シリア民主軍の戦闘員がロケット弾の発射現場を訪れ、3発目の未発射のロケットを発見したという。
英国に本拠を置き、反政府派の戦争をモニタリングするシリア人権監視団は、25日夜に米軍基地を攻撃したのはダーイシュの潜伏工作員であると非難した。
「この種の攻撃は、連合軍と市民を危険にさらし、シリアと地域が苦心して得た安定と安全を損ねるものだ」。
米中央軍(CENTCOM)報道官のジョー・ブッチーノ大佐はこのように述べた。
シリア民主軍は25日の夜中前、トルコの無人機が、主にIS戦闘員の妻、未亡人、子供たち数万人が住むアルホル・キャンプの上空を飛行した際、一部のISの家族が治安部隊を襲撃し、広大な施設から脱出できたと声明で発表した。
シリア民主軍は何人が脱出したのかは明らかにしなかったが、後に拘束されたという。
クルド人当局は、シリア北東部に点在する20以上の収容施設を運営しており、約1万人のダーイシュ戦闘員が収容されている。
これらの施設の拘束・収容者の中には、本国が送還を拒否している約2,000人の外国人が含まれ、そのうち約800人はヨーロッパ人となっている。
AP