
フワラ:2日、イスラエル警察が占領地ヨルダン川西岸地区でパレスチナ人1人を射殺した。イスラエル警察は刺傷事件が起きたと説明しているが、パレスチナ当局は口論だったと主張している。
イスラエル警察は「フワラで複数の容疑者が国境警備隊員らに近づいた。容疑者の1人がナイフを取り出し、国境警備隊員1人を刺した」と発表した。
「国境警備隊員らは容疑者1人に発砲し、その男を無力化するという対応をした」とイスラエル警察は声明で発表した。その後、警察はAFPに対し、そのパレスチナ人が死亡したことを認めた。
フワラでは、イスラエル軍による定期的な巡回が行われている。フワラは、ヨルダン川西岸地区北部ナブルスの南にある幹線道路にまたがっている。
フワラの職員であるワジェ・オデ氏はAFPに対し、今回の銃撃は「口論」の後に起きたと話した。
「イスラエル兵がそのパレスチナ人を床に押し倒し、零距離射撃を行った」とオデ氏は話した。
現場にいたAFP記者によると、その事件の後、重武装した国境警備隊が幹線道路に沿って配備されたという。
パレスチナ赤新月社はAFPに「(弊社の医療関係者が)負傷者の治療を妨害された。その負傷者は後で死を宣告された」と伝えた。
イスラエル警察は、警官1人が軽傷を負ったと発表した。
今回の銃撃で、11月29日以降ヨルダン川西岸地区で殺されたパレスチナ人は9人になった。イスラエル軍との衝突や、イスラエル軍の急襲によるものがほとんどだ。
兵士を車でひいたとされる男性が射殺された事件もあった。
イスラエル・パレスチナ紛争において最近、暴力事件が急増していることを、国際社会は憂慮している。
11月28日、トル・ウェネスランド中東和平プロセス特別調整官は、ヨルダン川西岸地区の状況は「限界に達している」と警告した。
ヨルダン川西岸地区、イスラエル、係争地エルサレムでは今年これまでに、少なくともパレスチナ人145人とイスラエル人26人が死亡している。
1967年の六日戦争以降、イスラエルはヨルダン川西岸地区と東エルサレムを占領している。
米国を代表してパレスチナ問題を担当しているハディ・アムル氏は11月30日に「パレスチナの領土で起きている悲劇的な人命の喪失を、米国は深く意識している」と述べた。
この数カ月で殺害されたのは、イスラエル兵やパレスチナ武装勢力、多数の民間人などだ。
8月にはイスラエルとパレスチナ武装勢力が戦い、わずか3日でガザ地区の住民49人が死亡した。
AFP