
ラマッラー(ヨルダン川西岸地区):イスラエル軍が12月8日早くヨルダン川西岸地区を急襲し、パレスチナ人3名を殺害したと、パレスチナ保健省が明らかにした。
今回の急襲は、ヨルダン川西岸北部の市ジェニンとそこにある難民キャンプを標的とするものだった。
この地域はパレスチナ武装派組織の拠点となっており、ここ数か月間イスラエルが攻撃を強めていた。
パレスチナの公式ニュース局は「対立と武力衝突」がジェニン住民とイスラエル軍の間で起きたと伝えた。
ソーシャルメディア上には、殺害された3人のパレスチナ人の内2人のライフルを手にポーズを取る生前の写真が出回っている。
またパレスチナメディアは、ジェニンでイスラエル軍の銃撃を受けた救急車の映像を流している。
ジェニンのパレスチナ各団体は死者を悼み、遺族との連帯を示すためにゼネストを呼びかけた。
7日には、イスラエル軍の兵士たちが発砲してきたパレスチナ武装派勢力のメンバーをヨルダン川西岸のオフラ入植地近くで射殺している。
今年に入ってから、ヨルダン川西岸地区と東エルサレムではイスラエル・パレスチナ間の衝突によりパレスチナ人140名以上が犠牲になっており、2006年以来もっとも多い死者数となっている。
イスラエル軍は、殺害されたパレスチナ人の大部分は武装派組織に所属していたとしている。
だが、イスラエル軍の侵入に抗議して石を投げる若者や、衝突と無関係の人々も殺害されている。
イスラエルはヨルダン川西岸全域で連日急襲と逮捕を行っているが、これは今年春に19人が犠牲になったパレスチナ人によるイスラエル人への一連の攻撃に触発されたものである。
イスラエル軍は、急襲の目的は武装派組織を壊滅させて次の攻撃を防ぐことだとしているが、パレスチナ人たちは、これは今年で56年目に入った、終わりの見えないイスラエルによる占領を固定化する試みだと主張している。
イスラエル側の統計によると、今年イスラエルと占領下のヨルダン川西岸地区ではアラブ系による攻撃で少なくとも31人が死亡した。
AP