
ナジャ・フーサリ
ベイルート:ヒズボラはレバノン南部の町ルメイシュ近郊に建築中だった建造物を住民の抗議とビシャーラ・ブトロス・アル・ライ・マロン派総主教の領地侵犯だという非難を受けて撤去する。
ヒズボラと関連する環境団体「国境なき緑」は、アル・アメール、アル・アラム、アル・ハッジの3家族が所有する地所を侵犯している施設をすべて撤去するよう言い渡された。
この件は地元住民、市当局、宗教指導者の怒りを買っていた。
ルメイシュはレバノン最南部、ベイルートから約135キロ離れたビント・ジュベイル地区に位置し、マロン派キリスト教の最大教区ティールがある。
ルメイシュに住むナジーブ・アル・アメール長老は次のように話した。「領地侵犯が町の郊外で始まって以来、地元住民の代表団とともにそれらの場所に出向き、このような侵害を止めるよう要求しましたが、そこにいた人々は我々を侮辱した上で要求をはねつけたのです。中には脅された者もいます」
住民は今週、「地域を実効支配している組織がルメイシュの住民が所有する土地を侵犯し、土地所有者の一部を脅している」ことを非難した。
「これらの組織は広大な土地をブルドーザーで整地し、木を引き抜き、建造物を建て、重機を使ってルメイシュの人々が所有する森を掘り返している」と住民たちは主張した。
「これらすべてが安保理決議1701に従って南部に展開するレバノン軍の目と鼻の先で起きているのです」
住民とともにマロン派総主教も領地の侵犯や、その他の共存を妨げ、対立激化につながるような行為を終わらせるよう声を上げた。
とりわけ発祥の地とされる南部で、ヒズボラがこのような圧力に屈することは稀である。
ルメイシュは国際連合レバノン暫定駐留軍(UNIFIL)の管轄する地域にあり、安保理決議1701に服している。この決議は2006年、イスラエルによるレバノン侵攻を受けて採択された。
決議は「ブルーラインとリタニ川の間にレバノン政府とUNIFIL以外の兵員、資源、武器を置かない地域を設けることを含めた、戦争行為の再発を阻止するための安全対策」を求めている。
また、決議1701は「ターイフ合意の関連条項および決議1559(2004年)と決議1680(2006年)の完全な履行も求めている。
南部ジェジン地区選出のサイード・アル・アスマー議員は次のように述べた。「このような恥ずべき行為が繰り返されないことを望みます。さもなければ破滅的な結果を招くでしょう。我々は弱い立場に置かれることも、侮辱されることも受け入れるつもりはないからです」
アスマー氏はルメイシュでの土地侵入を「受け入れがたい」と形容した。
「保安サービスが介入して、これらのあからさまな侵害行為に対処することを期待しますが、現在国家が完全な機能不全に陥っていることを考えると、彼らが小国家のような存在になっているヒズボラに立ち向かうのは望み薄だろうとも思います」
ヒズボラのメディア・オフィスは次のように述べた。「本件は些末な問題であり、騒ぐほどのものではなく、すでに解決している。メディアが誇張して報じているだけである」
一方、南部の沿岸の町アル・アカビヤでUNIFIL車両が攻撃を受け、アイルランド軍兵士が死亡した事件について捜査が進行中である。この場所はUNIFILの管轄外であった。
レバノン治安当局者がアラブニュースに語ったところによると、容疑者はレバノン国籍で、事件後身を隠していたが、その後逮捕された。
ヒズボラ支持者はUNIFILのパトロール隊を過去にも繰り返し攻撃してきたことから、ヒズボラを非難する声が高まっていた。
UNIFILとレバノン軍参謀本部諜報局の両者がこの件の捜査に当たっている。