
モハメッド・ナジブ
ラマッラー:驚くべきことにイスラエルは、ヨルダンの市民権を持つパレスチナ人受刑者に対し、ヨルダンの刑務所に移送し、そこで刑期を続けるという選択肢を提示した。
ヨルダン人囚人18人のうち4人がこれまでに監獄管理局の申し出を受け入れており、そのほとんどが長期間服役している。
また、アブドゥラ・バルグーティ氏を含む他の囚人は、終身刑を宣告されている。
バルグーティ氏は、67の終身刑と5,200年という史上最長の刑期を務めている。
同氏はイスラエルの刑務所で刑期20年目を迎えている。
バルグーティ氏は2003年3月5日、ヨルダン川西岸地区中央部のアルビレ市で逮捕された。
イスラエルは、同氏が60人以上のイスラエル人殺害に関与したと非難している。
バルグーティ氏の家族は、釈放済みで同氏に近しいパレスチナ人元受刑者から、ヨルダンに移送しそこで刑期を終えるという刑務所管理側の申し出に、バルグーティ氏が同意したことを知った。
アラブニュースに対しその事実を明らかにしたのは、バルグーティ氏の妻であるウム・ウサマさんだ。
ウサマさんによれば、彼女の夫であるバルグーティ氏(50)はイスラエルのエシェル刑務所に拘留されており、彼女と2人の娘と息子は、20年前の逮捕以来、保安上の理由から4回しか面会できていないとのことだ。
バルグーティ氏の両親は逮捕以来、昨年の夏に病気にもかかわらずヨルダンからやってきて30分ほど面会した以外は、同氏に会えずにいる。
バルグーティ家の関係者がアラブニュースに語ったところによると、ヨルダン外務省に、バルグーティ氏と他の囚人を受け入れる意思があるかどうか問い合わせたという。
しかし同省は、この件について何も知らないと述べた。
アラブニュースは、カタール在住のバルグーティ氏の兄、モハメドさんに連絡を取り、2017年半ばにバルグーティに提示され、今月合意した合意書のコピーを入手した。
モハメドさんは、ハマスがこの協定について説明を受け、その意見が反映された後、弟はこの協定を受け入れたと述べた。
「アブドゥラが両親の近くにいられるなら、その方がいいです。彼は20年以上も刑務所にいたのです。両親は一度しか彼に会っていません」とモハメドさんは述べた。
パレスチナ抑留者・元囚人委員会(Palestinian Detainees and Ex-Prisoners Commission Affairs)事務局長のカドリ・アブ・バクル少将はアラブニュースに対し、この件についての確認は取れていないと述べた。
もし承認されれば、長年面会できなかった囚人らの家族の苦痛を和らげることになる。
ファタハ運動幹部はアラブニュースに対し、今回の事態はハマスとイスラエルの間で囚人交換が間近に迫っていることを示唆していると述べた。
この合意によりイスラエルは、バルグーティ氏のような囚人を解放することでハマスに大きな譲歩をしたように見せかけることなく、自国の刑務所内で長期服役中のメンバーを排除することができるようになるという。
治安囚人の問題を扱ってきたあるパレスチナ高官が、匿名を条件にアラブニュースに語ったところによると、イスラエルの刑務所当局が1週間前にある囚人を呼び出し、ヨルダンに移りそこで残りの刑期を終えられるようにするための文書に、署名するよう求めたという。
その囚人は、パレスチナ当局に助言を求めたとのことだ。
バルグーティ氏と他のヨルダン人囚人が残りの刑期をヨルダンで過ごすための移送は、イスラエルの司法相、内務保安相、国防相の承認と、ヨルダンの受け入れが条件となる。