
モハメッド・ナジブ
ラマッラー:パレスチナの指導者らは国際社会と人権団体に対し、「過激な」イスラエル政府がヨルダン川西岸地区で暴力行為をエスカレートさせるのをやめさせるために介入するよう呼びかけた。
パレスチナ解放人民戦線は、「イスラエルの新しい右派政権は、パレスチナ人に対する犯罪行為を前例のない方法でエスカレートさせるだろう」と前もって警告したと発表し、「この侵略を撃退するための最高レベルの結束」を呼びかけた。
そう訴えたのは、イスラエル軍が武装組織「獅子の巣」を標的にしてナブルスを攻撃したときだった。30日に行われたその攻撃には兵士数十人が参加し、装甲車が使われた。
その攻撃が行われたのは、ベンヤミン・ネタニヤフ氏がイスラエルの首相に就任し、「建国以来最も右寄り」とアナリストに言われている政権を率いた数時間後だった。
イスラエル軍がドローンを使って催涙ガスを投下したときに激しい衝突が起きた。獅子の巣のメンバーであるアハメド・アル・マスリ氏(17)が逮捕され、この作戦は終了した。
ナブルスで救急医療を指揮している、赤新月社のアハメド・ジブリル氏は、同市が襲撃されていたときに35人が負傷したと話した。
「そのうち2人はイスラエル軍に撃たれた。1人はボランティアの医療従事者で、背中と胸を撃たれた」と同氏は述べた。
ジブリル氏は「25人が催涙ガスの影響に苦しんだ。1人は円筒弾を頭に受け、破片で負傷した」と話した。
ナブルスのファタハ革命評議会のメンバーであるタイシール・ナスラッラー氏はアラブニュースに対し、「イスラエル軍は圧倒的な軍事力を行使して17歳の少年を逮捕した。これは、パレスチナ人に対する暴力行為が新ネタニヤフ政権の手によって大きくエスカレートすることを示している」と話した。
「ナブルスの治安は今後数日のうちにさらに悪化すると我々は思っている。負傷者や殉職者、拘束者が増えるだろう」と同氏は述べ、「パレスチナは反撃する準備ができている」と付け加えた。
「イスラエルの装甲車を石で攻撃している若者は、損害を与えられないことを十分に理解しているが、パレスチナ人抵抗勢力を標的にしているイスラエル軍および同軍の治安維持活動を妨害することを決意している」
「2022年は、225人のパレスチナ人が殺された血なまぐさい年だったが、ネタニヤフ政権と過激派の大臣が誕生した後、激しくて血なまぐさい冬になると我々は思っている」
29日夜、イスラエル軍は、12月2日にハワラの大通りでイスラエル兵に至近距離から射殺された青年、アマル・ムフレ氏の遺体を引き渡した。
この事件に対し、国内外から怒りの声が上がった。パレスチナの指導者らは、彼は処刑されたと言っている。
一方、フランス国籍を持つパレスチナ人のサラ・ハムーリ氏は、2週間ほど前に刑務所から釈放され、イスラエルによってフランスに強制送還された後、フランスとパレスチナ自治政府が支援しなかったことを批判した。
人権問題専門の弁護士であるハムーリ氏はアラブニュースに対し、「私は祖国パレスチナに帰れるようになるまで闘い続ける」とパリから話した。
ハムーリ氏は「イスラエルは強制送還することを決めた。これは戦争犯罪だ。国際刑事裁判所に提訴することを検討している」と述べた。
同氏は、フランス政府が怠慢であることと、フランス政府が強制送還を阻止するためにイスラエルに圧力をかけなかったことを批判した。「私と話をするフランス政府関係者はいなかった」と同氏は付け加えた。
ハムーリ氏はアラブニュースに対し、「イスラエル当局が私に強制送還されることを知らせたのは、送還されるほんの数時間前だった」と話した。
「イスラエル治安機関の職員4人によってエル・アル航空の飛行機に乗せられたとき、私の手足は拘束されていた。飛行機がパリに到着するまで手錠をかけられたままだった」と同氏は話した。