
ガザ地区ガザ市:2022年最後の日、数万人のパレスチナ人がガザ市内の広場に集い、ファタハ党の創立58周年を祝った。同党の最大の対抗勢力である武装組織ハマスの本拠地において、党の人気を示す稀有な機会となった。
群衆はカティバ広場を黄色い旗で埋め尽くし、パレスチナのマフムード・アッパース大統領やその前任者のヤーセル・アラファト氏など、党の創設者や指導者の写真を掲げた。
2007年にアッバース大統領の支持勢力を追放してガザ地区を掌握したハマスは、ファタハの集会開催を認めた。地区掌握以降のいくつかの機会において、ハマスはファタハの活動を阻止したり制限したりしてきた。
ファタハへの支持率はそれほど高くないことが世論調査で示されているが、多くの人々が集い、ハマスによる強権的なガザ地区の統治に抗議の意思を示す稀な機会となった
イスラム系組織のハマスは記録的な失業率と貧困がはびこるなかで重税を課し、ガザの住民を疲弊させている。
230万人の住民はイスラエルとエジプトによる経済封鎖で大打撃を受けているが、イスラエルはハマスの兵器購入を防ぐために制裁が必要だと主張している。
しかし、経済封鎖は集団的な懲罰に等しいとの批判もある。
1959年にアラファト氏をはじめとする指導者によって創設されたファタハは、1965年1月1日にレバノンからイスラエルに初めて攻撃を仕掛けた際に党誕生を宣言した。
しかしながら、90年代にアラファト氏がイスラエルとの和平協定に署名。パレスチナ自治政府が設立され、ガザ地区と占領下にあったヨルダン川西岸地区の一部を統治することになった。
今回の集会は、パレスチナ人の間で対立が起きている時期に開催された。パレスチナ最大の勢力であるファタハとハマスは激しい対立を繰り返しており、和解を促すアラブ世界の努力は何度も失敗している。
ハマスが長年の間にガザ地区の支配を固める一方で、国際的に認められている自治政府は西岸地区の統治に苦労している。
汚職にまみれた自治政府は統治手腕のまずさが指摘されており、アッバース大統領は独裁的だと広くみなされている。
AP