
ハゼム・バロウシャ
ガザ市:パレスチナ保健省は、1年以上にわたって必要な医療機器のガザ地区病院への持ち込みを禁止しているとして、イスラエルを非難している。
ガザのハマスが運営する同省は、イスラエルが医療機器の持ち込みを許可していないために、ガザの患者の命が深刻な危機にさらされていると述べた。
同省は、イスラエルによる診断用医療機器の禁止は、国際人道法で保障されているパレスチナ人の治療を受ける権利を侵害していると述べた。
保健省のメドハット・アッバス氏は、ガザ地区の北端にあるエレズ交差点で数十台もの救急車と医療チームが参加したデモの最後に、この危機を強調した。
彼らは東側の国境と平行する道路を走り、数年前に帰還の大行進(Great March of Return)デモが行われた場所であるガザ市の東方に到着した。
アッバス氏は、イスラエルの占領により、インターベンションカテーテル装置、デジタルX線装置、移動式X線装置の持ち込みが妨げられていると述べた。
禁止されているのは、ガザの病院に必要な医療機器だけではない。故障した機器の予備部品をガザに持ち込むことや、修理のために機器をガザから持ち出すことも阻止されていると、アッバス氏は述べている。
イスラエルは、がん・心臓病・脳卒中・複雑骨折などにより集中治療を受けている患者から、健康上の問題を特定する機器や必要な医学的介入を奪い、彼らの健康状態を危機にさらしていると、アッバス氏は非難している。
保健省は関係機関に対し、ガザ地区の患者を「占領と封鎖のギロチン」から救い、彼らに必要な治療をすべて提供するため、診断用医療機器や壊れた機器の予備部品を持ち込めるように、イスラエルに直接圧力をかけるよう求めた。
患者は、医療機器が不足しているため、治療を始める前の診断を受けるために、エルサレムやヨルダン川西岸の病院、エジプトやヨルダンの一部の病院など、ガザ地区以外の病院に転院することを余儀なくされている。
サミール・アブ・アル・エネイン氏(55)は、オーガスタビクトリア病院で検査を受けるための紹介状をもらい、イスラエルの許可を得るまで、2ヶ月間待たなければならなかったと語った。
アブ・アル・エネイン氏はアラブニュースに対し、「数ヶ月前にがんと診断されました。それ以前からがんの疑いはあったのですが、エルサレムで診断を受けるまで主治医は病気を特定することができず、必要な書類を手に入れるまで長いこと待たなければなりませんでした」と語った。
さらにエネイン氏は、「私たちは病気に苦しんでいるだけではありません。待つことに苦しんでいるうえ、治療が受けられないことを恐れています。医師が処方してくれた薬の多くは手に入らないことが多く、手に入るまで長いこと待たなければならないのです」と語った。
ガザ地区外の病院への紹介状をもらうには、一連の官僚的な長い手続きが必要である。
イスラエルからエルサレムやヨルダン川西岸への通行証を待っている間にも、患者は苦しんでおり、何十人もの患者がイスラエルの治安当局によって阻止されている。
パレスチナ人権センターは、ガザ地区の病院にいる数千人の患者の命を救うには必須である機器を、イスラエルが阻止し続けた結果、深刻な影響が生じていることを警告した。
同センターは、「1949年のジュネーブ第4条約第55条および第56条によれば、ガザ地区の住民に医療品を提供する第一の責任はイスラエルによる占領にある」と述べている。
ガザ地区では230万人以上が「治療を受けるために政府の医療施設に依存しているが、これらの施設は、イスラエル占領当局が15年以上にわたってガザ地区に課した封鎖政策の結果、すっかり老朽化してしまっている」と同センターは述べている。
同センターはさらに、「パレスチナ内部の分裂によって、医療システムが脆弱になり、専門の医療スタッフが不足しているだけでなく、必須医薬品や医療機器が恒常的に不足している」と述べている。