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在日米軍の撤収リスク増大=トランプ氏再選でボルトン氏―正恩氏「拉致合意済み」

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22 Jul 2020 09:07:36 GMT9
22 Jul 2020 09:07:36 GMT9

ワシントン時事】ボルトン前米大統領補佐官(国家安全保障担当)は21日、時事通信のインタビューで、トランプ大統領が11月の大統領選で再選を果たせば、在日米軍(約5万人)が「削減・撤収されるリスクは格段に上がる」と警告した。トランプ氏は日米安保条約を「不公平だ」と再三表明。在日米軍の経費負担をめぐる交渉が行き詰まった場合、日米同盟は大きな変容を迫られることになる。

 ボルトン氏は6月に出版した回想録の中で、トランプ氏が在日米軍駐留経費の日本側負担について80億ドル(約8500億円)を要求したと明らかにした。これについて、金額はあくまで「言い値」で、より低い額で妥協するだろうと説明。さらに安倍晋三首相とトランプ氏の個人的な友好関係が、交渉の行方に良い影響を与える可能性も示唆した。

 ただ、日本側が損得勘定を重視するトランプ氏の要求を真剣に受け止めなければ、「トランプ氏は米軍の削減や撤収の検討に進むだろう」と予測。トランプ氏は在韓米軍の削減・撤収や北大西洋条約機構(NATO)からの離脱を周囲に漏らしており、在日米軍も例外ではないと強調した。

 一方、国防総省が在韓米軍削減の選択肢を提案したとする報道については、「共和党内で評判が良くないので、大統領選前に決定する可能性は低いと思う」と述べた。ただ再選すれば、こうした反対に耳を傾ける必要がなくなるため、日本を含めて撤収リスクが増大する恐れがあるという。

 ボルトン氏は2018年6月にシンガポールで開かれた最初の米朝首脳会談の共同声明に、北朝鮮による日本人拉致問題の解決の重要性を強調する文言を明記しようとしたが実現しなかった。金正恩朝鮮労働党委員長はトランプ氏との会談の場で拉致問題に言及するのを嫌がり、「日本とは既に拉致問題に関して合意に達している」などと主張したという。

 また、北朝鮮の非核化に懐疑的なボルトン氏は、世論調査で劣勢のトランプ氏が大統領選直前の「オクトーバーサプライズ」として、北朝鮮問題で耳目を集めようとすることを懸念していると明言。トランプ氏が正恩氏との再会談や朝鮮戦争の終戦宣言などを行う恐れがあると語った。

 トランプ氏が、香港情勢や新疆ウイグル問題などこれまで消極的だった人権問題で対中強硬姿勢を強めていることに関しては、「信念や大戦略はなく、国内の政治的反発を最小化するという関心に基づいている」と酷評。再選すれば、香港情勢よりも重視してきた貿易合意の交渉に戻ると指摘した。

 ◇ジョン・ボルトン氏略歴

 ジョン・ボルトン氏 1948年、米メリーランド州ボルティモア生まれ。エール大法科大学院修了。89~93年にブッシュ(父)政権で国務次官補(国際機関担当)、2001~05年までブッシュ(子)政権で国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)、05~06年に国連大使を歴任。18年4月にトランプ政権の大統領補佐官(国家安全保障担当)に就任したが、北朝鮮政策などでトランプ大統領と対立し19年9月に解任された。

JIJI Press

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