
ドバイ:米海軍は、オマーン湾内でイランからイエメンのフーシ派(イランの支援を受ける反政府組織)の所に向かっていたと思われる船舶から2100丁以上のアサルトライフルを押収したと海軍の報道官が10日に発表した。
アラブ世界で最も貧しい国であるイエメンへ向かう途中と見られる武器が押収される最新の事例となった。
武器の押収は6日、米海軍サイクロン級哨戒艇「チヌーク」の乗組員チームがダウ船として知られる伝統的な木製帆船の立ち入り検査を実施した後に行われた。
中東に拠点を置く米海軍第5艦隊の報道官ティモシー・ホーキンス中佐の発表によると、船内でカラシニコフのようなライフル銃が緑色の防水シートに個別に包装されているのが見つかったという。
哨戒艇のチヌークとモンスーンおよび誘導ミサイル駆逐艦のザ・サリヴァンズが押収された武器を確保した。
今回押収された武器は、米海軍が以前押収した、イランからイエメンに輸送されていたとされるアサルトライフルに似ていた。
「立ち入り検査を行った時、船舶はイエメンのフーシ派に違法物資を密輸するのに従来から使用されている航路を航行していた」とホーキンス中佐はAP通信に語った。「イエメン人の乗組員が出所を裏付けた」
またホーキンス中佐は、イエメン人の乗組員はイエメンの政府が管理する地域に送還されると付け加えた。
国連の武器禁輸措置により、イエメンの内戦が勃発した2014年以来フーシ派への武器の輸送は禁止されている。
イランはフーシ派への武器の供与を否定しているが、海路を経由してライフル、携行式ロケット弾、ミサイル、他の兵器を同武装組織に輸送してきた。
独立専門家、西欧諸国、国連専門家は、摘発された他の船舶から押収された物資の出所がイランであったことを突き止めている。
10日にイラン国連代表部にコメントを求めたが、回答は得られていない。
フーシ派は2014年9月にイエメンの首都サヌアを占拠し、国際的に認められた政府を駆逐した。
米国から兵器と情報の支援を受けるサウジ主導の連合軍は2015年3月、追放されたイエメン政府側について内戦への介入を始めた。
長年の結論の出ない戦闘が、アラブ世界で最も貧しい国であるイエメンを飢饉寸前の状態まで追い込んだ。
イエメン内戦の開戦以来最長となる6カ月間の停戦は、期間延長に向けた外交的努力もむなしく、10月に期限切れとなり、戦闘が再び激化するのではないかという懸念につながった。
イエメンでは内戦でこれまでに1万4000人以上の民間人を含む15万人以上が亡くなった。
停戦が終了してから散発的な攻撃が続いているが、国際交渉人たちは内戦の政治的解決策を模索している。
米海軍は昨年11月にも、肥料の袋とともに運ばれていた70トンのミサイルの燃料となる物質を発見していた。
この時も同様にイランからイエメンに向かっていたとされている。
AP