• 法改正により汚職の免責を目指す　 S&Pは信用格付けへの影響を警告

ムハンマド・ナジブ

ラマッラー：イスラエルの極右新政権は12日、その過激派的な政策、特に司法の独立を制限しようとする計画について、新たな批判にさらされた。

数百人の弁護士がテルアビブの裁判所前での抗議集会に参加し、11人の元司法高官が改革案に「ショックを受けた」とする公開書簡に署名し、影響力のある格付け会社S&Pグローバルレーティングは、対立を激化させるような政府の行動は同国のソブリン格付け「AAマイナス」への脅威になると警告した。

ヤリフ・レビン法務大臣は、現在は独立した委員会が指名している裁判官の任命について、国会議員の権限を強化し、またクネセトが単純多数決で最高裁の判決を無効にできるよう司法制度を改革しようとしている。

こうした改革案は一般的に、汚職で裁判中のベンヤミン・ネタニヤフ首相にとって「刑務所逃れ」の手段となると見なされている。

予測されている通り、ネタニヤフ首相の裁判が最高裁に持ち込まれた場合、今回の改革が実施されれば、ネタニヤフ首相の極右連合が支配するクネセトが最高裁の判決を覆すことができるのだ。

テルアビブでの抗議行動の参加者の一人、弁護士のオルナ・シャー氏（66）は、この改革は「危険」であり「民主主義への脅威」だとして、次のように語った。

「裁判官の指名は政治的なものになるでしょう。司法の独立は失われ、政治家がコントロールするものになってしまいます」もう一人の参加者、ブルリア・レクナー氏は、今回の改革は「破壊と退歩 」だと非難した。

公開書簡の中で、11人の元州検察官と元検事総長は次のように述べている。「私たちは政府に対し、公表した改革案を撤回し、裁判制度と法の支配に対して重大な損害を与えないよう求めます」

S&Pグローバルレーティングのディレクターで、イスラエルの中心的な信用アナリストであるマキシム・リブニコフ氏は、今回の司法改革案とを、イスラエルによる占領地ヨルダン川西岸のパレスチナ人に対する新たな動きとあわせてS&Pは注視していると述べた。

「発表された司法制度改革が、イスラエルの制度的取り決めや既存の抑制と均衡システムの弱体化の傾向を示すものだとすると、将来的に格付けに下降リスクをもたらす可能性がある」とリブニコフ氏は言う。

「より強硬な政策によって損なわれる可能性のある……治安情勢を私たちは最も懸念しています」
パレスチナ人に対する強硬な措置の最も新しいものとしては、クネセトが、攻撃的行為に関して有罪判決を受けたパレスチナ人のイスラエル市民権や居住権を剥奪する法案に対して初期承認をすでに与えていることがあげられる。

パレスチナの高官筋によると、米国はパレスチナ人およびイスラエル政府と内密に協力しており、パレスチナ自治政府を弱体化させるような行動をこれ以上起こさないよう働きかけているとのことである。