テルアビブ(イスラエル):1月14日夜、数万人のイスラエル人がテルアビブ中心に集まり、ベンヤミン・ネタニヤフ首相率いる新政権が計画している最高裁の権限を弱めることを含む司法制度改革に抗議した。
この改革が実現した場合、イスラエルの民主主義的「抑制と均衡」システムが破壊されると批評家は述べている。
集会はネタニヤフ氏と超国家主義者として知られるイタマー・ベングビール国家安全保障相に早くも挑戦を突き付けた。
ベン・グビル氏は集会の参加者が道路を封鎖する、パレスチナの国旗を掲げるなどの行動に出た場合断固たる措置を取るよう警察に命じた。
イスラエルメディアは警察関係者の話として、テルアビブのハビマ広場に集まった群衆は悪天候にもかかわらず午後9時までに8万人に膨れ上がったと報じた。
多くは傘を差した参加者はイスラエル国旗と「犯罪者の政府」「民主主義の終焉」その他のスローガンが書かれたプラカードを掲げた。大きな混乱はなかったという。
汚職の罪で起訴され公判中の身であるネタニヤフ氏は司法制度改革を政権の中心課題に据えている。
発足後わずか2週間で、新政権は議会に単純過半数採決により裁判所の判決を覆す権限を与えることで、最高裁の権限を弱める案を提起した。
また、議会に判事の任命権を与えて司法権の独立性を低下させることも視野に入れている。
ネタニヤフ政権の司法相は、選挙によって選出されない判事に過大な権限が与えられていると発言している。
しかし、この改革に反対する人々は、イスラエルの民主主義が危機にさらされるとして批判している。
野党の指導者、元法務長官、最高裁長官は軒並み改革案に反対を表明した。
この改革が実現すれば、汚職の罪で審理中のネタニヤフ氏は有罪判決を逃れる、あるいは裁判自体を無効にすることも可能になる。
2019年に起訴されて以来、氏は再三司法制度が自分に偏見を抱いていると述べてきた。
集会を前に、警察は警備を強化した。イスラエルメディアは警察関係者の話として、「特別慎重に」対応し、平和的な行進を妨げることのないよう指示を受けていると伝えた。
もっとも、これら関係者は破壊や暴力行為に対しては厳正に対処するとも明言したという。
エルサレムとハイファでも、より規模の小さな集会が開かれた。
AP