
アラブニュース
ベイルート:レバノンの議会は19日、11回目の投票を行ったが新大統領を選出することができなかった。同国が史上最悪の経済危機に直面する中、大統領が空位の状態が長引いている。
レバノンの通信社によると、ミシェル・モアワド議員が最多の34票を集めたが、37人の議員が白票を投じた。
イサム・ハリフェ氏は7票、ジアド・バルード氏は2票、エドワード・ホネイン氏は1票だった。
2022年10月末にミシェル・アウン元大統領が退任した後に暫定政府が政権を引き継いでおり、無駄な支出の停止と腐敗の蔓延への対処を目的とする多数の経済改革が行き詰まっている。
2022年4月、レバノン当局は国際通貨基金(IMF)との間で、多数の経済改革と反腐敗対策の実施を条件とする復興計画について暫定的な合意に達した。
しかし、これらの要求に応えるためのレバノンの取り組みの遅れをIMFは批判している。
一方、為替ディーラーがロイターに伝えたところによると、19日にレバノンポンドは過去最安値の1ドル5万ポンドを記録した。2019年にレバノンの金融システムが崩壊して以降、95%以上下落したことになる。
通貨は1993年に1ドル1507レバノンポンドのレートで固定された。このレートは2019年まで据え置かれていたが、この年、数十年にわたる浪費、失策、腐敗が原因で金融危機が発生した。
現金不足となったレバノンの銀行は2019年10月以降厳しい外貨引き出し制限を課し続けており、数百万人の預金を凍結している。
何の改革も行われないまま経済が悪化の一途を辿る中、銀行支店を襲撃して凍結された預金を力ずくで引き出そうとする人々も出てきている。
(複数のエージェンシーの記事を参照)