バブ・アルハワ:コレラ・ワクチンの第1弾が、戦争で荒廃したシリアの北西部にある反体制派支配地域に到着した。その地域では、毒性が極めて強いコレラが流行している。
シリアでコレラが初めて流行したのは2009年だったが、国連や地元当局によると、コレラの流行で昨年8月以降、数十人が死亡している。内戦が10年以上続いた結果、インフラが老朽化したのが一因とされている。
ワクチンを積んだトラック2台が、トルコと過激派支配地域とを結んでいるバブ・アルハワ国境検問所を通ってシリアのイドリブ県に入った、とAFPの記者は話した。
今回の配送を手配した国連児童基金(ユニセフ)の地域当局者であるアマル・アマル氏は、170万回分のワクチンが到着したと述べた。
「(ユニセフと世界保健機関は)シリア全土に行き渡る量のワクチンの購入を検討している」と同氏は述べた。
リファト・アル・ファルハット・イドリブ県保健局長は「昨年流行が始まって以来、ワクチンがイドリブに配送されるのは、今回が初めてです」と述べた。
「ワクチン接種キャンペーンが3月に始まる予定です」とファルハット氏は述べたが、「約300万人いるイドリブ県民全員に行き渡るだけのワクチンはありません」と警告した。
バッシャール・アサド大統領政権の支配が及んでいないイドリブ北部では、その他に約110万人が暮らしている。
11月には、200万回分のワクチンが政府支配地域に届けられた。
国連によると、シリアのコレラ流行で8月下旬以降100人が死亡しており、感染の疑いがある症例はシリア全土で1月7日までに7万7561件報告されている。
コレラは通常、汚染された食物や水から感染し、下痢や嘔吐を引き起こす。
上下水道設備が整っていない住宅地域で感染が広がることもある。
国連によると、2011年から続くシリア内戦により、水処理施設の約3分の2、揚水場の半分、貯水塔の3分の1が損傷しているという。
イドリブの当局者は「感染の疑いがある症例は3万8000件報告されています。1月だけで6000件です」と述べた。
反体制派が支配する同県では、20人がコレラで死亡した、と当局者は述べた。
シリア政府は、政府支配地域で1634人が感染し49人が死亡したと報告している。
AFP