
エルサレム:イスラエル軍は26日、一触即発の状況が続いている占領地ヨルダン川西岸地区を急襲し、60歳の女性を含むパレスチナ人数人を殺害、数人を負傷させた。パレスチナ保健当局が発表した。騒乱が数カ月続く中、最も多くの死者が出た日の一つとなった。
今回の暴力行為は、パレスチナ保健当局が、ジェニン難民キャンプで行われている残忍な作戦と呼んでいるものの中で行われた。残忍な作戦は、イスラエルが1年近く行っている、逮捕を目的とした急襲の中心になっている。
パレスチナの武装組織であるハマスとイスラム聖戦は、武装組織のメンバーがジェニン難民キャンプに入ってきた部隊と戦っていると発表した。犠牲者の数は現在も増え続けている。
イスラエル軍は、その地域で部隊が作戦行動を行っていると発表したが、その他の詳細はすぐには明らかにしなかった。イスラエルのメディアは、急襲中に部隊が銃火を浴びたと報じた。
パレスチナのマイ・カイラ保健相は、戦闘のさなか、救急隊員が負傷者を治療するのに苦労していると述べた。同氏はまた、イスラエル軍が病院の小児病棟で催涙ガスを発射し、子供たちが窒息したと非難した。同軍はすぐにはコメントしなかった。
ジェニン病院は、殺害された女性がマグダ・オバイドさんであることを確認した。パレスチナ保健省はそれより前に、別の死者1人がサエブ・アズリキさん(24)であることを確認した。アズリキさんは銃で撃たれた後、重体で病院に搬送され、銃創が原因で死亡した。同省によると、少なくとも16人が負傷した。
パレスチナ自治政府のナビル・アブ・ルデイネ報道官は今回の暴力行為を非難し、国際社会に対し、今回の暴力行為を非難するよう求めた。
パレスチナ人による襲撃事件が相次ぎ、19人が死亡したのを受けて、イスラエルが昨年春に急襲を開始して以来、イスラエル・パレスチナ間の緊張は高まっている。昨年後半に新たな一連の襲撃事件があり、死者数は30人になった。
26日の暴力行為で、今年のパレスチナ人の死者数は25人になった。昨年は約150人のパレスチナ人が殺された。2022年は、2004年以降では最も多くの死者が出た年になった。イスラエルの人権団体ベツェレムが発表した。
イスラエルは、死者の多くは武装勢力だったと主張している。しかし、侵略に抗議する若者や、衝突に関与していない人たちも殺されている。
急襲の目的は過激派組織を解体し将来の攻撃を阻止することだ、とイスラエルは主張している。イスラエルは、将来のパレスチナ国家の領土として求めている土地を55年間占領しており、急襲は終わりのない占領を一層確立する、とパレスチナは主張している。
イスラエルは1967年の中東戦争でヨルダン川西岸地区、東エルサレム、ガザ地区を占領したが、パレスチナはこれらを、樹立を望んでいるパレスチナ国家の領土として求めている。
AP