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トルコ、米国、ロシアがシリアの安定を優先するかもしれない

04 Apr 2020
2020年3月15日のイドリブでのロシアとトルコの合同パトロールに対するデモ中に抗議者たちがシリア反政府勢力の旗を広げている。(ロイター通信)
2020年3月15日のイドリブでのロシアとトルコの合同パトロールに対するデモ中に抗議者たちがシリア反政府勢力の旗を広げている。(ロイター通信)
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ダニア・コレイラット・ハティブ博士

火曜日、米国大統領ドナルド・トランプは、コロナウイルスのパンデミックによってもたらされる危険を踏まえて、リビアとシリアでの停戦について話し合うためにトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と電話で会談を行った。これは、国、民族、または宗教を問わず襲いかかる同じ脅威に直面した時、戦争当事者が対立するのではなく、互いの違いを一旦忘れて協力し合うことができるという非常に前向きな兆候である。

トランプ大統領とエルドアン大統領の議論のテーマは、先週世界各国やグループに対して武器を捨て、共通の敵と戦うことを求めた国連事務総長のアントニオ・グテレスの呼びかけと一致するものだった。しかし、停戦を求めるグテレス事務総長の人道主義的要請に応える以外にも、米国とトルコの両者が互いの隔たりを埋めるように押し進める実利的理由がある。

まず第一に、世界中のあらゆる国と同様に、トルコと米国の両方がコロナウイルスの危機に適応し、管理しようとしている。恐らく地球上のすべての医療システムを圧倒するとみられている入院を必要とする驚異的なウイルス症例数、および景気後退から不況に陥るという見通しに直面している時、地政学的影響力に関するゲームはほとんどのリーダーにとって二次的なものになる。

特にシリアに関しては、安定が急務である。どちらの指導者も、バッシャール・アサドにイドリブの奪還を許可すると、シリア北部を越えて新たな暴力の波が発生することを理解している。米国もトルコもそれに対処する準備はできていない。両者共にイドリブの人々が降伏しないことを知っている。アサドの攻勢をかわすことで、国内避難民をイドリブに留め、少なくとも当面は、新たな移住の波を防ぐことができる。

イドリブはシリアの反政府勢力の最後の領土だ。彼らがアサドと和解する可能性は低く、アサドも同様に、最も手強い敵に情け容赦をかけないだろう。したがって、制御されたレベルの暴力で政権によって奪還されたダルアーのような解決はないだろう。イドリブでは、状況が手に負えない状態になる可能性があり、そうなると、難民の流れを管理できなくなるだろう。ロシアとトルコが3月5日に停戦合意に至った大きな理由は、ロシアもトルコも難民の流れに対する解決策を持っていないことである。現在、コロナウイルスの危機を踏まえて100万人の難民に対処することは、誰もが引き受けたくない悪夢のような出来事である。このパンデミックの裏にある希望の光は、安定を確保するために妥協する準備ができた、世界のリーダーの考え方の変化である。コロナウイルスによって引き起こされた危機に直面している今、リーダーたちは外交のさらなる不確実性に対応することはできない。彼らはシリアでこれ以上の大虐殺の危険を冒すことはできないのだ。

これを踏まえて、エルドアン大統領と愛憎関係にある米国は現在、イドリブを安定させるためにトルコと協力している。議会は昨年11月にシリア北部へのトルコの侵攻を非難する決議を通過したが、ジェームズ・ジェフリー米シリア特別代表は先月、米国がNATOとEUと協力してトルコがイドリブで必要な支援を得られるようにすることを発表した。米国政府は、トルコ政府がロシアからS-400ミサイル防衛システムを購入したためにトルコ政府への戦闘機の売却をキャンセルしたが、S-400を使用しない場合には、パトリオットミサイルを売却することを提案している。

3か月前に始まった攻撃を支援したロシアでさえ、その役割に圧倒され、虐殺を制限するためにトルコと3月5日の停戦合意を締結した。トルコ政府への米国の支持により、おそらく停戦はより長く続くことになるだろう。

しかし、北西部での暴力が全国に波及する可能性はある。2年前にアサドによって奪還された南西部は荒れている。あるメディアは、いつでも再燃する可能性のある灰の中にある赤々とした燃えさしのようにこの州を描写している。不満は高く、さまざまな武装勢力からなるひとつの組織が形成されており、その組織は現在政権支持勢力の一部と見なされているが、シリア政府とは緊張した関係にある。また、経済状況は政権支配地域全体で悲惨であり、アサドは市民に基本的なサービスを提供することができていない。したがって、状況は新たな暴力状態に陥る危機に瀕している。

現在、コロナウイルスの危機を踏まえて100万人の難民に対処することは、誰もが引き受けたくない悪夢のような出来事である。

ダニア・コレイラット・ハティブ博士

月曜日、中国の国連大使は、シリアに対する制裁の解除を求め、現在のパンデミックとグテレス事務総長の敵対行為中止の呼びかけに言及した。しかし、米国とヨーロッパからの反応は見られない。制裁の解除はシリア国民の救済を意味するのではなく、政権のさらなる力を与えることを意味する。それはまた、アサドがシリア全体を力づくで奪還するという彼の目標達成を可能にすることを意味するだろう。反対に、米国政府は、現在のシリア政権と取引を行っている個人や団体に制裁を課す、いわゆるシーザー法の施行を早めることを目指している。

ロシアがシリアでの安定を求めて米国とトルコに加わる場合、特に、国際援助組織が政府軍の干渉なしにシリアの人々に救済物資を提供できるようにすることを受け入れる点において、アサドに譲歩を促す圧力になるかもしれない。アサド政権は救援組織の活動に大いに干渉し、援助の大部分はしばしば政権の受益者のポケットに入っている。したがって、トルコと米国の間の合意は、ロシアの理解が得られた場合、アサドを封じ込め、短中期的にある程度の安定を確立するのに役立つ可能性がある。

  • ダニア・コレイラット・ハティブ博士は、ロビー活動を中心とした米国−アラブ関係の専門家です。彼女はエクセター大学で政治学を専攻し、博士号を取得しています。また、ベイルート・アメリカン大学の公共政策および国際問題に関するIssam Fares Instituteの所属研究員です。
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