
キーウ:ロシアは26日、ウクライナに向けてミサイルを立て続けに発射した。この前日、ウクライナはロシアによる侵攻を押し返すべく、数十両の現代戦車を供与するという確約を欧米から取り付けていた。
ドイツと米国の発表にロシアは怒りでもって反応していた。ロシアは以前、ウクライナが成功しているように思われる状況に対して空爆で応え、数百万人を照明、暖房、水が使えない状態に陥れた。
ウクライナ軍は、ロシアが一晩で発射したドローン24機全てを(うち15機はキーウ周辺で)撃墜したと発表した。被害は報告されていないという。
しかし、その後間もなく、人々が職場に向かう時間帯に空襲警報がウクライナ各地で鳴り響いた。政府高官は、対空防衛システムが飛来するミサイルを撃墜していると述べた。
キーウでは群衆が地下鉄の駅に避難し、大きな爆発音が聞こえた。
ウクライナ最大の民間エネルギー生産会社であるDTEKは、危険が差し迫っているためキーウとその周辺地域に加えオデーサ州とドニプロペトロウシク州で緊急停電を実施していると発表した。
キーウ市軍事管理局は、同市に向けて発射されたミサイル15発以上が撃墜されたと発表する一方、避難所に留まるよう市民に呼びかけた。
ウクライナ南部ムィコラーイウ州のヴィタリー・キム知事はメッセージアプリ「テレグラム」に、「ミサイルがウクライナ領内を飛行している。少なくとも2発がムィコラーイウ州を北西方向に通過している」と投稿した。
空軍の報道官によると、中部ヴィーンヌィツャ州で着弾が記録された。
欧米のアナリストは、ウクライナの各都市に対する今回の攻撃は戦略的軍事行動というより士気をくじくための試みだと見ている。
ウクライナとロシアはいずれも春に新たな地上攻勢をしかけると見られている。ウクライナはロシアの防衛線を突破して南部と東部の占領された領土を奪還するために用いる数百両の現代戦車の確保に努めている。
ウクライナとロシアはいずれも、これまで主にソ連時代のT-72戦車に依存してきた。
ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は25日夜に行ったビデオ演説の中で、「今重要なのはスピードと量だ。軍隊を訓練するスピード、ウクライナに戦車を供与するスピードだ。供与される戦車の数だ」と述べた。
「『戦車の拳』を作らなければならない。『自由の拳』だ」
声高な要求
声高な要求を続けるウクライナのゼレンスキー大統領は、NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長と話して長距離ミサイルと航空機の供与を要請したことを明らかにした。
ウクライナの同盟国は既に数十億ドル相当の軍事支援を提供してきた。ここ6ヶ月間で戦況の転換に貢献した米国の高性能ミサイルシステムもそれに含まれる。
米国は整備の難しい戦車「エイブラムス」の配備に対して慎重だったが、より運用の容易なドイツ製戦車「レオパルト」をウクライナに供与するようドイツを説得するために方針を変えざるを得なくなった。
ドイツはまずは自国の在庫から戦車14両の1個中隊を供与する予定で、3~4ヶ月後に稼働できるとしている。また、この地域で2個大隊を編成するのに必要な100両を確保するために欧州の同盟国による供与も承認する意向だ。
ウクライナの軍事専門家ヴィクトル・ケヴリュク氏は「エスプレッソTV」で、レオパルトはNATO加盟国ならどこでも整備できる戦車であり、乗員と整備士を一緒に一つの型式で訓練できると解説した。
「もし我々がこれらの戦車を提供することによってこのクラブに引き入れられたのだとしたら、我々の見通しは良好と言えるだろう」
米国のジョー・バイデン大統領は、同国が供与する予定の「M1エイブラムス」31両は「ロシアを攻撃する脅威ではない」と述べた。
しかし、セルゲイ・ネチャーエフ駐ドイツ・ロシア大使は25日、ドイツによる決定は「紛争を新たなレベルの対立に引き上げる」「極めて危険」なものだと述べた。
昨年2月24日にウクライナ侵攻を開始して以降、ロシアは公言する目標を、隣国の「非ナチ化」「非軍事化」から、米国が主導する「侵略的・拡大主義的な」NATOへの対抗にシフトした。
ロシアによる侵攻で数千人の民間人が死亡し、数百万人が避難を余儀なくされ、多くの都市が全面の瓦礫と化した。
目下最も激しい戦闘が行われているのはウクライナ東部の町バフムート周辺だ。戦前には7万人いたこの町の人々は、この戦争で最も残酷な戦闘のいくつかを目の当たりにしてきた。
ウクライナ軍は、ロシアは「ドネツク州全体の占領を目的として自軍の犠牲を顧みず」攻撃を行っていると述べた。
ロシアが据えたドネツクの首長は25日、ロシアのワグナー・グループと契約した民兵の部隊がバフムート市内で前進しており、郊外や最近ウクライナが掌握した地区で戦闘が行われていると述べた。
ロイターはこの戦況報告の真偽を検証できていない。
ロイター