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エジプト、アラブ連盟、アラブ議会が米国のガザ停戦決議案への拒否権行使を非難

ガザ地区における即時の人道的停戦を呼びかける国連安保理決議案に賛成票を投じるアルジェリアのアマル・ベンジャマ国連大使と、拒否権を行使する米国のリンダ・トーマス=グリーンフィールド国連大使。ニューヨーク、2024年2月20日。(Reuters)
ガザ地区における即時の人道的停戦を呼びかける国連安保理決議案に賛成票を投じるアルジェリアのアマル・ベンジャマ国連大使と、拒否権を行使する米国のリンダ・トーマス=グリーンフィールド国連大使。ニューヨーク、2024年2月20日。(Reuters)
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22 Feb 2024 02:02:53 GMT9
22 Feb 2024 02:02:53 GMT9
  • エジプト政府は、国連安保理決議案に米国が3度目の拒否権行使をおこなったことを非難した。
  • 15の理事国のうち13カ国が決議案を支持したが、米国は拒否権を発動し、英国は棄権した。

ゴブラン・モハメド

カイロ:エジプト政府は、国連安保理がまたしてもガザ地区における和平と停戦を呼びかける決議の採択に失敗したことは、安保理にとって「恥ずべき前例」になったと警鐘を鳴らした。

エジプト政府は、アラブ諸国を代表してアルジェリアが提案した、即時停戦を求める国連安保理決議案に対し、米国が3度目の拒否権行使をおこなったことを非難した。

15の理事国のうち13カ国が決議案を支持したが、米国は拒否権を発動し、英国は棄権した。

エジプト外務省は声明のなかで、「2万9000人以上の民間人、それも大部分は女性と子どもたちが命を落とした武力衝突の停戦を呼びかける」決議案の可決を妨害する行為は、国連安保理の歴史において「恥ずべき前例」であると述べた。

外務省はさらに、イスラエルの攻撃の標的となっているパレスチナの民間人の日々の苦難を終わらせることは、国際社会の道義的・人道的責任であるとした。

外務省声明の文面は以下の通り。「世界のさまざまな地域における戦争と武力衝突への対処において、選り好みやダブルスタンダードが適用されることを……エジプトは強く非難する。こうした態度は、現行の国際的枠組み、とりわけ紛争解決や戦争終結の責務を委ねられている国連安全保障理事会の、ルールと行動メカニズムの信頼性に疑念を抱かせるものだ」

エジプト政府は引き続き即時停戦を訴え、ガザ地区に人道支援物資を搬入するための安全な経路を要求するとともに、パレスチナ人をかれらの領土から排除するいかなる試みにも反対するとした。

声明のなかで、エジプト政府はパレスチナの都市ラファへのイスラエルの軍事行動にも反対すると述べた。

エジプトのオサマ・アブデルハレック国連大使は、「(エジプト政府は)国連安保理とすべての責任ある国際社会の主要国に対し、即時停戦の履行によって和平の選択肢を守ることを呼びかける」と述べた。

「これ(即時停戦)は現行の仲介努力を妨げるものではなく、むしろ成功につながる適切な条件を整えるものである」

アラブ連盟のアフメド・アブルゲイト事務局長は、米国の拒否権行使は「(米国が)戦争継続に政治的・道義的責任を負っていることを明確に裏づける」ものだと述べた。

アブルゲイト事務局長は、米国の行動は「国連のシステムの信頼性を揺るがし、国連加盟国が目の当たりにしてきた麻痺状態を鮮明にする」ものだと批判した。

「(拒否権行使は)パレスチナの民間人に対し、日夜繰り広げられている凶悪な犯罪を国際社会が抑止できないなか、攻撃継続を正当化する言い訳をイスラエルに与えるものだ」

アルジェリアの決議案は、人道災害としての側面を優先し、「戦争が継続すればイスラエルの殺人兵器、飢餓、感染症の犠牲になりかねない状態にある」数十万人のパレスチナ人を救うことを目的としたものだった。

アラブ議会は声明を発表し、国連安保理は世界の平和と安定を担う任務に失敗しつつあると警鐘を鳴らすとともに、制度改革の必要性を指摘した。

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