
ナジャ・フーサリ
レバノンのファランヘ党のサミ・ジェマイエル党首は、他派がヒズボラの武器取引を擁護する人物を大統領に選ぶよう画策するなら、選挙を中断させると警告した。
2月3日、ファランヘ党の総会の席上で、ヒズボラと激しく対立するジェマイエル氏は、レバノンの姿を変えてしまう試みが行われていると述べた。
総会の開会式には反ヒズボラ派の政治家が顔をそろえた。彼らはヒズボラの最近の動きにも反対の立場を表明している。
ジェマイエル氏が率いる議会の派閥は自由愛国運動、レバノン軍団に次いで3番目のキリスト教勢力である。
彼らは自由と協調、民主主義、強く自由な経済、世界へと開かれた態度を抹消することで、この国を殺そうとしています。
サミ・ジェマイエル氏
「彼らは自由と協調、民主主義、強く自由な経済、世界へと開かれた態度を抹消することで、この国を殺そうとしています」とジェマイエル氏は述べた。
同氏は続けて、今日闘いはある派閥に属するレバノン人との間にではなく、キリスト教徒とイスラム教徒の共存をめぐって起きているとした。
「しかし、キリスト教徒でもムスリムでも、その他の宗派でも、この国は文明と発展のメッセージを託された存在なのだと信じるレバノン人が非常に多く存在するのです。
この人々はまた、自由を信じ、生まれながらにこの自由を守ろうとします。
このレバノン人の精神を抹殺しようとする者は誰であれ、レバノン人の一派閥ではなく、派閥を人質に取って、国内の争いを派閥争いへと変えようとする武装勢力なのです」とジェマイエル氏は続けた。
ジェマイエル党首は疑わしい土地購入、人口構成の変化、政府機関の機能不全、報道の自由への組織的攻撃などについて指摘した。
「シリア軍を撤退させるためには、皆が殉教者広場で手に手を取る必要がありました。今日、再び力を合わせなければ、レバノンを守ることはできません」
ジェマイエル氏は、レバノンの支配階級はキリスト教徒の保護を口実に、ヒズボラに国を明け渡してしまったのだと主張した。
「我々はヒズボラに国を明け渡してしまうことの危険について警告してきました。
経済崩壊と、国際社会での孤立について警告してきました。一部の者たちは明らかに、経済と外交、政治における均衡を破壊しようとしていますが、レバノン国民の真の意志は杉の革命と10月17日革命で示されています」
ジェマイエル氏は以下のように続けた。「今日、レバノンには2つの国家があります。レバノン共和国と、ヒズボラ・イスラム共和国です。それぞれの国が自前の資金源と軍隊、外交政策を持っています。
イスラム共和国は、多元的なレバノン共和国に手を伸ばしています。我々はこのような試みに反撃しなければなりません。彼らの独裁主義的行動に立ち向かうには、従来の手法ではもはや不十分です。このイスラム共和国と妥協したことが、今日の破滅的な状況を招いたのです。譲歩に譲歩、示談に示談を重ねた結果なのです。
今後は、ヒズボラの意のままになることを断固拒否します」
同氏はさらに次のように続けた。「すべてのレバノン国民に、責任を負うよう求めます。ヒズボラは、我々がもはや現状を受け入れるつもりがないと知るべきです。
2つの国家の分裂が不可避なら、それもやむを得ないでしょう。ヒズボラはそう宣言すればよい。だが、我々は二級市民のような生活を受け入れることはできません。服従ではなく、抵抗を選びます。
ファランヘ党は戦争を望んでいるわけではありません。我々は国家と国軍を支持しますが、我々の家に近づこうとする者がいれば、自分を守るために戦います」
ヒズボラへの歯に衣着せぬ批判で知られた研究者ルクマン・サリム氏の暗殺から2周年を迎えたことにもジェマイエル氏は言及した。「裁判が開かれて、サリム氏の暗殺の真相が明らかになることは決してないでしょう」
「ヒズボラに異を唱える人々がさらされている脅威の度合いがいかに深刻なものか分かります」
サリム氏の家族と友人は3日、暗殺2周年の節目を迎えたが、いまだにレバノン司法当局は犯人を起訴していない。
サリム氏は南部で暗殺されるに先立ち、ヒズボラから殺害予告を受けていると公の場で話していた。
アシュラフ・リフィ議員は次のように述べた。「ヒズボラは再び、政治的空白を利用し、脅迫することで大統領選と政府に介入しようとしています。
レバノンはかつて東方の聖像のような存在でしたが、悪の枢軸がこの国をテロリストの拠点、麻薬密造の工場、殺人の現場に変えてしまいました。そして今、国を支配し続けるための傀儡を探しています」