
ジュネーヴ:トルコとシリアを襲った大地震の影響により、内戦で荒廃したシリアに向けてトルコから救援物資を届けるために使用されている唯一の国境検問所の運営が妨げられている。国連が7日に述べた。
6日、マグニチュード7.8の地震とその余震がトルコとシリアを襲い、5400人以上が死亡した。
国連人道問題調整事務所(OCHA)のイェンス・レルケ報道官はジュネーヴで記者団に対し、「越境支援自体が影響を受けている」と述べた。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長の報道官ステファン・ドゥジャリク氏は、バブ・アル・ハワ検問所自体は「実際のところ無傷」だと述べた。
「しかし、この検問所につながる道路が被害を受けているため、検問所を十分に活用することが一時的にできなくなっている」
災害援助機関によると、既に戦争、内乱、難民危機、最近のコレラ感染急増などに苦しんでいる地域で数千棟の建物が倒壊した。
特に懸念が高まっているのは、10年以上にわたる内戦で荒廃したシリアで支援を必要としている全ての人々にどうやって支援物資をとどけるのかについてだ。
反体制派掌握地域への人道支援は通常、2014年に国連安全保障理事会決議に従って創設された越境メカニズムを通してトルコから届けられている。
しかしこれに対し、ダマスカスの体制とその同盟国ロシアはシリアの主権の侵害だとして異議を唱えている。
ロシアと中国からの圧力のもと、検問所の数は時とともに4ヶ所から1ヶ所に減少した。
そして現在、現地の救援活動従事者が壊滅的な状況に直面している一方で、唯一の検問所の周辺ではインフラが大きな被害を受けている。
レルケ報道官は、「地震による物流障害の克服に向けあらゆる努力が行われている」と述べた。
また、一般的には生存者が発見されるのは「約7日間の間だけだ」としたうえで、緊急に救助を必要としている人々のもとに一刻も早くチームを派遣することが極めて重要だと強調した。
「この状況は人命がかかっている人道的危機であると全員が認識することが必要不可欠だ」
「この状況を政治化しないでほしい。支援を死活的に必要としている人々のもとに支援を届けようではないか」
レルケ報道官は、国連は「あらゆる手段を用いて人々に支援物資を届けるつもりであり、それには越境支援や、シリア国内での体制支配地域と反体制派支配地域の境界を越えた支援が含まれる」と述べた。
しかし同報道官は、道路によるアクセスは困難であるとしたうえで、地震は国連の「スタッフ、契約パートナー、協力してくれるトラック運転手、ナショナルスタッフ」に影響を与えたと指摘した。
「彼らは瓦礫の中で家族を探している(…)そのため当面の活動に影響が出ている」
一方で、シリア北西部に支援物資を届けるパートナーは「活動しており、物資や資金を求めている」という。
しかし、現時点ではシリア越境人道支援のための資金は底をついていると、レルケ報道官は警鐘を鳴らした。
AFP