
サイード・アル・バタティ
アル・ムッカラー:6日に発生したトルコ南東部を震源とする大規模な地震への人道援助の遅れに批判が高まっている中、11日には救助隊が5人のイエメン人の遺体を新たに収容した。大地震によるイエメン人の死者はこれで7人となった。
12日朝に出されたアンカラの在トルコ イエメン大使館の声明によると、トルコ・東アナトリア地方の都市マラティヤでイエメン人技師ブルハン・アル・アリミさんが地震により死亡、また南部のハタイではイエメン人医師のムハンマド・アル・アラーウィさんの妻とその妹と2人の子供の遺体が地震の瓦礫の中から発見されたとのことである。
アル・アラーウィさん本人は、当時トルコの別の都市にいたため難を逃れている。
これよりも前の8日には、イエメン人医師のハメディ・アル・ガザリさんとその妻の遺体がやはりマラティヤで発見・収容されていた。
駐トルコ イエメン大使は、現地のイエメン人コミュニティと会談し、地震被災地のイエメン人に対する救援活動の調整について協議した。地震により、多数のイエメン人学生とその家族が転居を余儀なくされている。
アル・アラーウィさんは、今回遺体が発見されるよりも前に、アル・アラビアTVの取材に応えていた。大きく損壊した自宅アパートそばでの取材で、アル・アラーウィさんは、コンクリートの柱に打ち付けられた16歳の息子、アメン君の遺体を見た、と語っていた。残りの家族は瓦礫の下に埋まってしまっていたという。
「本当につらいです。アッラーのお導きに委ねるしかありません。もし今も生きているなら、一緒に暮らしたいですが、亡くなってしまったのであれば、弔ってやらなければなりません」とアル・アラーウィさんは話していた。彼は、地震が起こっていることを知らなかったという。「家族に連絡したましたが、何の反応もありませんでした。トルコ人の隣人に連絡したが、同じことでした。他の地域にいたイエメン人の友人が、大きな地震があったと知らせてくれたのです」
在トルコのイエメン人学生連合は、イエメン政府と援助機関に対し、地震で被災したイエメン人学生とその家族に金銭、衣服、避難所を提供するよう求める緊急の嘆願を行った。トルコのイエメン学生組合は、地震の影響を受けたイエメンの学生とその家族に金銭、衣服、住居を提供するよう、イエメン政府と援助機関に緊急の嘆願書を発行しました。
イエメン人学生連合の代表、ムハンマド・アメル氏は、アラブ・ニュースに対し「地震で、衣類を含む全てを失った学生すらいるのです」と語った。
「駐トルコ大使の努力には感謝していますが、イエメン政府がより深く関与するよう、私たちは求めます。被害にあった人々は全てを失い、新しい住居と少なくとも1ヶ月分の家賃、食料、衣類、生活費を必要としているからです」とアメル氏は訴えた。
一方、イエメンのラシャド・アル・アリミ大統領指導評議会議長は12日、欧州連合(EU)訪問のため、南部のアデンからリヤドに向けて出発した。現政権へのEUからの支持取り付け、和平努力についての議論し、深刻化するイエメンの人道危機への対処を目的とした訪問となる。
イエメンの国営サバ通信(SABA)によると、アル・アリミ議長は最初にベルギーを訪問し、その後ミュンヘン安全保障会議に出席するためドイツに移動する予定とのことである。
イエメンの現在の指導者であるアル・アリミ議長は、昨年9月にもドイツを訪問、イエメンにおけるドイツの人道支援活動の拡大について同国政府高官と話し合っている。