
国連は日曜日、戦争で荒廃したシリアの地域に対して、切実に必要とされている援助を提供できていないことを非難した。また、トルコにも壊滅的な被害をもたらした今回の大地震による死者数は現時点で3万人近くになっており、今後2倍以上に増加する可能性があると警告した。
シリア北西部への物資を積んだ国連の人道支援の車列がトルコを経由して目的地に到着したが、国連のマーティン・グリフィス緊急援助調整官は、家を失った何百万人もの人々のために、もっと多くの援助が必要であると述べた。
「私たちはこれまでのところ、シリア北西部の人々に支援の手を差し伸べませんでした。彼らは当然見捨てられたと感じており、届いていない国際的な支援を探し求めています」とグリフィス氏はツイッターで述べた。
「私の任務そして我々の義務は、この失敗をできるだけ早く修正することです」
長年の紛争で医療制度が崩壊したシリアへの援助の到着は遅く、シリアの一部は欧米諸国の制裁下にあるバッシャール・アサド大統領の政府と戦う反政府勢力の支配下となっている。
AFP特派員によると、10台のトラックから成る国連の車列は、プラスチックシート、ロープ、ネジ、釘、毛布、マットレス、カーペットなどのシェルターキットを運んで、バブアルハワ国境検問所を経由してシリア北西部に入った。
何万人もの救助隊員が凍えるような寒さの中、壊滅状態になった地域で生存者を探し続けており、その厳しい寒さが現在切実に支援を必要としている何百万人もの人々の悲惨な状況を悪化させている。
しかし、トルコ国営メディアによると、治安上の懸念から一部の活動が停止し、地震発生以来、数十人が略奪や詐欺の容疑で逮捕された。
奇跡的な救出が伝えられたが、専門家は、廃墟での生存者発見の希望は日を追うごとに薄れていると警告している。
トルコ国営メディアによると、トルコ・ハタイ県南部でハムザという名前の生後7か月の赤ちゃんが地震から140時間以上が経った後で救出され、ガズィアンテプでもエスマ・スルタン(13歳)という名前の子供が救出された。
バチカンでローマ教皇フランシスコは、被災者への「具体的な支援」を呼びかけ、「被災者を助けるために何ができるかを考える」よう人々に促した。
国連は、トルコとシリアで少なくとも87万人が温かい食事を緊急に必要としていると警告している。シリアだけで、最大530万人が家を失った可能性がある。
世界保健機関(WHO)は土曜日、約2600万人が地震の影響を受けていると述べ、数十の病院が被害を受けた後、差し迫った医療ニーズに対応するため4280万ドルの支援を求めた。
トルコの防災機関は、トルコの各組織から派遣された3万2000人以上が、8294人の国際救助隊とともに捜索・救助活動に取り組んでいると述べた。
しかし、多くの地域で、救助隊は、センサーやその他の高度な捜索機器が不足しているため、多くの場合、倒壊した建物の瓦礫をシャベルまたは手だけを使って注意深く掘るしかなかったと述べた。
「そのような装備があれば、少なくとも数百人の命を救えたでしょう」と、シリア北西部ジャブラの民間防衛隊の責任者であるアラア・ムバラク氏は述べた。
シリア政府は、イドリブ県の政府支配地域外の被災地への人道支援の提供を承認し、日曜日に人道支援の車列が出発する予定だと述べたが、それはその後、説明なしに延期された。
シリア運輸省は、62機の支援機が今週シリアに到着し、今後数日で、特にサウジアラビアから、さらに多くの支援機が到着すると述べた。
アントニオ・グテーレス国連事務総長は、安全保障理事会に対し、トルコ・シリア間に国境をまたぐ人道支援地点を新たに開設することを承認するよう要請した。安保理は数日中にもシリアについて話し合う会議を開く可能性がある。
ギリシャのニコス・デンディアス外相は、トルコの被災地アンタキヤでトルコの外相と会い、2つのNATO加盟国間の長年のライバル関係を脇に置いて、さらなる支援を約束した。
「関係を改善するために自然災害が起こるのを待つ必要はありません」と デンディアス外相は述べた。
しかし、何日にもわたる悲しみと苦悩を経て、建物の質の低さと、ここ100年近くで最悪の災害に対するトルコ政府の対応への国民の怒りが高まっている。
当局によると、地震で1万2141棟の建物が倒壊したか深刻な被害を受けた。
伝えられるところによると、トルコ警察は土曜日に、トルコ南東部のガズィアンテプ県とシャンルウルファ県の倒壊した建物をめぐり、請負業者を含む12人を拘束した。
当局者と医療関係者は、トルコで2万4617人、シリアで3574人が死亡したと発表した。現在確認されている死者は計2万8191人となっている。
AFP